EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ラージプート建築

Rajput architecture
年代
1500 — 1900
地域
北インド(ラージャスターン地方)
時代
中世

ラージプート建築は、中世から近世にかけて、北西インド——とりわけ現在のラージャスターン地方——のラージプート諸侯のもとで展開した建築様式である。砂漠と岩山の地に築かれた堅固な城塞と、その内に営まれた華麗な宮殿とを両極とし、ヒンドゥーの伝統的な造形にイスラーム・ムガルの語彙を吸収して成熟した。素材には赤や黄、ピンクの砂岩や大理石が好まれ、緻密な彫刻や透かし彫りを施す点に特色がある。代表的な構成要素として、ドーム状の小亭であるチャトリ(chhatri)、壁面から張り出した小窓のジャロカ(jharokha)、石を網目状に透かしたジャーリー(jali)、花文や蓮華の意匠などが挙げられる。これらはムガル建築の対称性や尖頭アーチ、石象嵌の技法と融合し、装飾性と機能性を兼ねた独自の表現を生んだ。城塞建築では、丘上に多重の城壁と門、稜堡を連ね、内部に広大な中庭と居室群を抱える。宮殿建築では、女性区画(ゼナーナ)の隔離や、酷暑に対する通風・採光の工夫が、ジャロカやジャーリーの多用となって現れる。アンベール城やジャイプルの諸建築、ウダイプルの湖上宮殿などにその到達点がみられ、ジャイプルのハワー・マハルは、ラージプート建築の装飾的・機能的な特質を凝縮した象徴的な作例として知られる。

ラージプート建築
§1

代表建築

Buildings
ムガル建築 ハワー・マハル
1799 · ジャイプル
ハワー・マハル
Lal Chand Ustad

インド・ジャイプルのシティ・パレスに付属する宮殿。1799年にマハーラージャ・サ…