イスラーム建築
フマーユーン廟
デリーに建つムガル帝国第2代皇帝の墓廟。皇妃の発願でペルシア出身の建築家が設計…
建築家 / Architect
ヘラート出身のペルシア人建築家。フマーユーン廟(デリー)の設計者として知られる。生没年は伝わらない。
同時代の史家アブドゥル・カーディル・バダーウーニーによれば、フマーユーンの皇妃がみずから選び、ヘラートから招いた人物であり、それ以前にヘラートやブハラなどで建築を手がけていたという。ティムール朝の廟建築や庭園の伝統を身につけた技術者が、そのままインドの造営現場に持ち込まれた例である。
フマーユーン廟では、正方形を九分割するハシュト・ビヒシュトの平面、高い基壇、白大理石の二重殻ドームという、インドにそれまで例のない構成を実現した。完成を待たずに没し、仕事は子のサイイド・ムハンマドが引き継いだ。個人としての事跡はほとんど残らないが、この一作がムガル廟建築の型を決め、約80年後のタージ・マハルにまで及んでいる。