イタリア・バロック建築
トレヴィの泉
ローマ、トレヴィ地区の後期バロックを代表する巨大噴水。古代の水道アクア・ヴェ…
建築家 / Architect
ニコラ・サルヴィ(Nicola Salvi, 1697–1751)は、ローマに生まれ、ローマに没したイタリアの建築家である。生前の作品は多くないが、ただ一作によって建築史に名を刻んだ——トレヴィの泉である。
1732年、教皇クレメンス12世の催したコンペで設計者に選ばれたサルヴィは、背後のパラッツォ・ポーリの壁面に巨大なコリント式オーダーを通し、中央に凱旋門を据えて、宮殿と噴水を一つの舞台として統合した。彫刻・建築・水の流れを融合させ、都市の一角を劇場へと変えるその構想は、後期バロックの総合的な演出を体現するものであった。
サルヴィは泉の完成を見ることなく1751年に没し、事業はジュゼッペ・パンニーニらに引き継がれた。それでも今日のトレヴィの泉の劇的な構成は、ほぼ彼の構想に拠っている。
ローマ、トレヴィ地区の後期バロックを代表する巨大噴水。古代の水道アクア・ヴェ…