古典主義
クイリナーレ宮殿
ローマのクイリナーレの丘に建つ大宮殿。16世紀末に教皇の離宮として着工され、歴…
建築家 / Architect
オッタヴィアーノ・マスケリーノ(Ottaviano Mascherino、1536年—1606年)は、イタリアの建築家・画家である。本姓はノンニ(Nonni)で、通称マスケリーノとして知られる。ボローニャに生まれ、画家として出発したのち、建築へと活動を広げた。
ローマで教皇庁の建築家として活躍し、とりわけ教皇グレゴリウス13世のもとでクイリナーレ宮殿の初期整備に関わった。彼の手になるとされるのが、宮殿内の螺旋状の斜路(ランプ)である。馬に乗ったまま上階へ達せるよう設計されたと伝わるこの構成は、機知に富んだ空間操作の一例として名高い。
16世紀後半のローマは、盛期ルネサンスの規範がしだいに崩れ、マニエリスム(後期ルネサンスの技巧的な作風)からバロックへと向かう過渡期にあった。マスケリーノの仕事は、この移行期に位置する建築家のものとして理解される。画家としての出自を持つ建築家は当時珍しくなく、彼もまた絵画的な空間感覚を建築に持ち込んだ一人と評価される。