ポストモダン建築
ローマのモスク
ローマ北郊パリオーリの麓に建つ、ヨーロッパ大陸最大級のモスク。ポストモダンの…
建築家 / Architect
パオロ・ポルトゲージ(Paolo Portoghesi, 1931–2023)は、イタリアの建築家・建築史家・理論家。ローマに生まれ、設計と歴史研究の双方で活動した。
バロックの巨匠フランチェスコ・ボロミーニやグアリーノ・グアリーニの研究者として出発し、曲面と幾何学が生む空間の劇性に深く傾倒した。この歴史的教養は、近代建築の機能主義への批判として展開され、装飾と記憶、地域の文脈を建築に呼び戻そうとするポストモダン建築の主導者の一人となる。1980年の第1回ヴェネツィア建築ビエンナーレでは総合ディレクターを務め、過去の様式を引用した仮設街路「ストラーダ・ノヴィッシマ」によって「過去の現存」を宣言した。
代表作のローマのモスク(1984年着工・1995年開堂)では、ボロミーニが学んだイスラーム幾何学の系譜をたどり直し、コルドバの大モスクを思わせる多柱空間と、椰子の木のように枝分かれする曲線の柱を実現した。歴史を引用しながら新しい総合へ向かう、その姿勢を端的に示す作品である。