EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

バシリカ

basilica
年代
古代(〜5C)
地域
ローマ帝国に始まる地中海世界
時代
古代

バシリカ(basilica)は、細長い長方形の平面をもつ建築の形式で、もとは古代ローマの公共建築に由来する。ローマでは、裁判や商取引、集会のための大規模な屋内空間としてバシリカが建てられ、中央の身廊と、列柱で隔てられた側廊、身廊の上部に並んで光を採り入れる高窓(クリアストーリー)、そして一端に設けられた半円形のアプスを特徴とした。フォロ・ロマーノに残るマクセンティウスのバシリカなどに、その壮大な姿がうかがえる。

4世紀、公認されたキリスト教は、礼拝の場としてこのバシリカの形式を採用した。神殿建築が異教と結びついていたのに対し、世俗の集会施設であったバシリカは、多くの会衆を迎える教会堂の器としてふさわしかったためである。ローマの旧サン・ピエトロ聖堂やサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂はその初期の代表例であり、身廊と直交する翼廊(トランセプト)が加わることで、平面はしばしば十字形へと展開した。身廊・側廊・アプスからなるこの平面は、初期キリスト教聖堂の基本形となり、やがて西欧のロマネスク、ゴシックの大聖堂へと受け継がれて、長くキリスト教建築の背骨をなした。

なお「バシリカ」は、のちにローマ教会が格式の高い聖堂に授ける称号ともなった。アヤソフィアは、この細長いバシリカの平面に中央集中式の大ドームを重ね合わせた「ドーム・バシリカ」として知られ、二つの系譜を融合させた点に建築史的な意義がある。

バシリカ
§1

代表建築

Buildings
バシリカ アヤソフィア
537 · イスタンブール
アヤソフィア
Anthemius of Tralles

東ローマ皇帝ユスティニアヌス1世が6世紀に建てたコンスタンティノープルの大聖堂…