EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

メタボリズム

Metabolism
年代
1960 — 1975
地域
日本
時代
現代

メタボリズム(Metabolism)は、1960年に日本で提唱された建築・都市の運動である。「新陳代謝」を意味する生物学の言葉を掲げ、建築と都市を、固定した完成品ではなく、生き物のように成長し、部分を取り替えながら変化していくものとしてとらえた。

戦後復興と高度経済成長のただなかで、急速に膨張する都市にどう応えるかが、その背景にあった。黒川紀章、菊竹清訓、槇文彦らの若い建築家が、丹下健三を後ろ盾に運動を起こす。彼らは、長く使う巨大な構造体(メガストラクチャー)に、寿命の短い住戸ユニットを交換可能な形で取り付ける、という構想を描いた。

その思想を最もよく示すのが、黒川紀章の中銀カプセルタワービルである。だが、実際にカプセルが交換されることはなく、構想と現実の隔たりも露呈した。多くの計画は紙の上にとどまったが、都市を生きて変化するものととらえる発想は、世界の建築界に強い刺激を与え、戦後日本の建築を象徴する運動として記憶されている。菊竹清訓は海に浮かぶ「海上都市」を、丹下健三は東京湾を横断する巨大な都市軸を構想した。その多くは実現しなかったが、1970年の大阪万博は、メタボリストたちが未来都市の断片を実地に試みる場となった。同じころ、イギリスのアーキグラムも、可動し増殖する都市を描いており、巨大構造による未来都市の夢は、世界的な潮流であった。アジアの建築が世界へ向けて独自の理論を発信した、最初の大きな事例でもある。

メタボリズム
§1

代表建築

Buildings