EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

プレ・ロマネスク建築

Pre-Romanesque architecture
年代
500 — 1000
地域
西ヨーロッパ
時代
中世

プレ・ロマネスク建築(Pre-Romanesque architecture)は、おおむね西ローマ帝国の崩壊後から、ロマネスク様式が成立する11世紀ごろまでの西ヨーロッパの建築を総称する。メロヴィング朝、カロリング朝、アストゥリアス、モサラベ、オットー朝など、地域と時代を異にする多様な潮流を含み、単一の様式というより、古代末期の伝統を受け継ぎながら次代へ橋渡しした過渡的な段階として理解される。古代ローマの組積技術やバシリカ式の平面、ビザンティンの集中式とドームといった先行する形式を、断片的に、しかし意識的に継承している点に特徴がある。

その頂点をなすのが、カール大帝のもとで花開いたカロリング朝建築である。8世紀末から9世紀にかけて、帝国の権威を可視化するために古代の規範が積極的に参照され、アーヘンの宮廷礼拝堂のように、ラヴェンナやコンスタンティノープルの集中式建築を範とした記念碑的な聖堂が築かれた。イタリアから運ばれた大理石円柱などのスポリア(転用材)を用いることは、ローマ皇帝の後継者たることを示す手段でもあった。西構え(ウェストワーク)や、聖堂と修道院を一体に計画する思想など、後の中世建築に受け継がれる要素もこの時期に準備された。

プレ・ロマネスク建築は、現存例こそ多くないものの、古代と中世盛期の建築をつなぐ環として重要であり、その空間構成や構造の探求は、やがて厚い壁と半円アーチによるロマネスク建築の成立へと結実していく。

プレ・ロマネスク建築
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代表建築

Buildings