EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

テューダー建築

Tudor architecture
年代
1485 — 1603
地域
イングランド
時代
ルネサンス

テューダー建築(Tudor architecture)は、15世紀末から16世紀末にかけて、テューダー朝下のイングランドで展開した建築様式である。中世末期の垂直式(パーペンディキュラー)ゴシックを母体としながら、大陸のルネサンスの装飾的要素が断片的に流れ込んだ過渡期の様式であり、ゴシックから本格的な古典主義建築への橋渡しに位置づけられる。構造的にはなお中世的で、尖頭を平たくつぶした四心アーチ(テューダー・アーチ)、石材を格子状に割りつけたマリオン窓や張り出し窓(オリエル窓)、ハンマービーム架構の木造大屋根などを特徴とする。素材としては赤煉瓦が広く用いられ、白い切石や黒く焼いた煉瓦で菱形文様を描く装飾的な煉瓦造が好まれた。煙突を高く束ねて意匠とする点や、木骨を露出させたハーフティンバーの民家も、この時代の景観を特徴づける。代表例には、ウルジー枢機卿が築きヘンリー8世が受け継いだハンプトン・コート宮殿や、各地のカントリー・ハウス、オックスフォード・ケンブリッジの学寮などがある。宗教改革による修道院解散で大量の土地が世俗貴族に渡り、邸宅建築が盛んになったことも、この様式の展開を後押しした。城郭のような防御性は薄れ、快適な居住性と左右への広がりをもつ邸宅が好まれるようになった点も、時代の特徴である。テューダー建築は、続くエリザベス朝・ジェームズ朝の建築を経て、イニゴー・ジョーンズによる古典主義の導入によって大きく転換することになる。

テューダー建築
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代表建築

Buildings