ロシア擬ゴシック
ブトイルカ収容所
モスクワに現存する古い監獄。エカチェリーナ2世の命により1771年に設けられ、建築…
建築家 / Architect
マトヴェイ・フョードロヴィチ・カザコフ(Matvey Kazakov, 1738–1812)は、エカチェリーナ2世期のロシアを代表する建築家であり、モスクワ新古典主義を確立した中心人物である。モスクワに生まれ、建築現場での実地の修練を通じて頭角を現した。
クレムリン内の元老院庁舎、モスクワ大学旧本館、貴族会館(円柱の間)など首都の主要な公共建築を数多く手がけ、端正な古典主義による都市景観を築いた。その一方で、ツァリーツィノ離宮(バジェーノフと協働)やペトロフスキー旅行宮殿のように、赤煉瓦と白い装飾を対比させた「ロシア擬ゴシック」の作風でも知られる。ブトイルカ収容所の城塞風の獄舎も、この系譜に連なる仕事である。
1812年のモスクワ大火で郷里を追われ、その直後に没した。門下から多くの建築家を育て、モスクワ古典主義の礎を築いた功績は大きい。