EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

カリンガ様式

Kalinga architecture
年代
650 — 1300
地域
インド東部(オディシャ州)
時代
中世

カリンガ様式(Kalinga architecture)は、インド東部のオディシャ(旧称オリッサ、古名カリンガ)で発達したヒンドゥー寺院建築の様式である。北インドのナーガラ様式の地方的な展開に位置づけられ、7世紀ごろから13世紀にかけて、州都ブバネーシュワルを中心に数多くの寺院を生み、独自の用語と造営の規範を育てた。

この様式の寺院は、機能の異なる建物を東西の軸線上に連ねて構成される。聖室の上に曲線的な高塔を戴く本殿レーカ・デウラと、その前に置かれ、水平の段を積んだピラミッド状の屋根をもつ拝殿ピーダ・デウラ(ジャガモハナ)が基本の一対で、大規模な寺院ではさらに舞楽殿(ナタ・マンディラ)と供物殿(ボーガ・マンダパ)が加わる。女神を祀る寺院には、横長の聖室に筒形の屋根を架けたカーカラ・デウラという第三の型も用いられる。

いずれの建物も、基壇、壁体(バーダ)、塔身(ガンディ)、頂部(マスタカ)の四つの部分に分けて構想され、平面は方形を基本に外壁へ凹凸の突出(ラタ)を刻む。中央の突出を大きく張り出し、両脇に細い突出を重ねるパンチャラタの平面が典型で、日差しの移ろいとともに壁面に光と影の縞が生まれる。内部は簡素に抑えられ、装飾は外壁に集中する。神像や天女、動植物の文様、日常の情景や王の事績を刻む浮彫が基壇から塔頂までを覆い、彫刻と建築が一体の造形をなす。

初期の作例には7世紀のパラシュラーメーシュワラ寺院があり、10世紀のムクテーシュワラ寺院で意匠が洗練された。11世紀末のリンガラージャ寺院では、本殿・拝殿に舞楽殿と供物殿を連ねる四棟構成が整い、12世紀にはプリーのジャガンナート寺院が築かれる。13世紀半ば、東ガンガ朝のナラシンハデーヴァ1世が造営したコナーラクのスーリヤ寺院で、寺院全体を太陽神の戦車に見立てる壮大な構想に至った。コナーラクの本殿はのちに崩れたが、残る拝殿は様式の到達点を今に伝えている。

カリンガ様式
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
親様式
ナーガラ様式
本様式
カリンガ様式