ムーア復興様式
ムーア・リヴァイヴァル(Moorish Revival)は、19世紀から20世紀初頭にかけて、中世スペインや北アフリカのイスラム建築を範とした復興様式である。「様式を選ぶ」歴史主義の時代に、異国趣味(オリエンタリズム)の高まりとともに広まった。
ヨーロッパや南北アメリカで、シナゴーグや邸宅、劇場、博覧会の建築などに用いられた。形態としては、馬蹄形アーチや多弁アーチ、アラベスクの細密な装飾、鍾乳石状の天井、多彩色の壁面、小さなドームなどを取り入れ、華やかで装飾的な外観をつくる。
本データベースでは、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボにあるヴィイェチニツァ(旧市庁舎)がその例である。新古典主義やゴシック・リヴァイヴァルと並ぶ歴史主義の復興様式の一つであり、地域や民族の独自性を表そうとする近代の関心とも結びついていた。