EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

パラメトリシズム

Parametricism
年代
2000
地域
世界
時代
現代

パラメトリシズム(Parametricism)は、21世紀に入って提唱された、コンピュータによるパラメトリック・デザインを基盤とする現代建築の様式・潮流である。建築家パトリック・シューマッハが、この語を掲げて理論化した。

形を直接描くのではなく、寸法や角度、間隔といった変数(パラメータ)の関係をコンピュータ上に定義し、その数値を操作することで、複雑で滑らかな形態を生成・制御する。直線や直角、反復する単位を基本としたモダニズムとは対照的に、すべての要素が連続的に変化し、流れ、互いに呼応する形態を生み出す。

ザハ・ハディドの流れる曲線の建築が、その代表とされる。デジタルファブリケーションの発展が、一つひとつ異なる部材を現実に作ることを可能にし、これを支えた。建築のみならず、都市のスケールにまで一貫した秩序を与えようとする壮大な構想でもあるが、こうした設計を実際に可能にしたのは、ライノセラスとグラスホッパーに代表される、変数とアルゴリズムを扱う設計ソフトウェアの普及である。設計者は、形そのものではなく、形を生み出す「規則」を記述するようになった。橋やスタジアム、超高層、さらには家具にいたるまで、流れる形態が広がっている。もっとも、すべてを連続的な曲面で統べようとするその思想は、形態への偏りや、実現コスト、そして環境性能との両立をめぐって、議論の的でもあり続けている。いずれにせよ、デジタル時代の建築を考えるうえで、避けて通れない潮流である。

パラメトリシズム
§1

代表建築

Buildings