北京大興国際空港 Beijing Daxing International Airport
北京市の南郊に2019年開港した大規模空港。ザハ・ハディド・アーキテクツらの設計による。中央から放射状に六本の指状コンコースが伸びる星形の旅客ターミナルで、流れるような曲面の大空間を特徴とする。
§1 — 概要概要
北京大興国際空港(北京大兴国际机场)は、北京市中心部の南約46キロメートルに位置する大規模空港である。2019年9月に開港し、単棟としては世界最大級の旅客ターミナルを擁する。設計はザハ・ハディド・アーキテクツとフランスのADPアンジェニエリ(ADPI)が共同で手がけ、中央から放射状に六本の指状コンコースが伸びる星形(ヒトデ型)の平面と、流れるような曲面の屋根で知られる。
歴史
過密化した北京首都国際空港を補完する第二の国際空港として計画され、2014年に国家発展改革委員会が建設を認可、同年末に着工した。設計は国際指名コンペを経てザハ・ハディド・アーキテクツとADPアンジェニエリの共同案が選ばれ、施工は北京市建築設計研究院(BIAD)が担った。設計を主導したザハ・ハディド本人は2016年に世を去り、完成を見ることはなかった。ターミナルは2019年6月末に竣工し、同年9月25日に開港した。
建築的特徴
最大の特徴は、中央の吹き抜けホールから六方向へ指状にコンコースが伸びる星形平面である。搭乗客が中央から各ゲートまで最短で歩けるよう動線が組まれ、巨大な施設でありながら歩行距離を抑えている。屋根は自由曲面として一体的に成形され、八本の流線型の支柱とトップライトが、白く波打つ大空間を支えながら自然光を導く。柱と屋根が連続して溶け合うこの造形は、コンピュータによるパラメトリック・デザインを駆使して初めて実現したもので、ザハ・ハディド・アーキテクツの作風を象徴する。
意義・現在
北京大興国際空港は、パラメトリック建築を大規模な公共インフラへ展開した代表例として、また流動的な曲面によるザハ・ハディド・アーキテクツの設計言語を巨大スケールで結実させた作品として注目される。開港後は北京の二大空港の一翼を担い、複数の航空会社の拠点として国内外の路線を結ぶ。利用者の移動効率と象徴性を両立させた空間は、21世紀の空港建築の到達点のひとつと評される。
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