クアラルンプールに立つ、高さ約452メートルの超高層ツインタワー。1998年完成。1998年から2004年まで世界一の高さを誇り、今もツインタワーとしては世界一高い。マレーシア国営石油会社の本社で、イスラムの幾何学を映した平面をもつ。
§1 — 概要概要
ペトロナスツインタワー(Petronas Towers、マレー語:Menara Berkembar Petronas)は、マレーシアの首都クアラルンプールに立つ、二棟一対の超高層ビルである。高さは尖塔の先端まで約452メートル、各棟88階を数える。1998年から2004年まで世界一高いビルであり、現在もなお、ツインタワーとしては世界一の高さを保つ。マレーシア国営石油会社ペトロナスの本社であり、急成長する国の象徴として建てられた。
歴史
計画は1990年代初めに始まる。設計は、アルゼンチンに生まれアメリカで活躍した建築家シーザー・ペリが手がけた。1993年、旧競馬場の跡地で工事が始まる。軟弱な地盤のため、基礎は地下深く、当時としては世界で最も深い杭が打ちこまれた。
1996年に尖塔が立ちあがり、構造はほぼ完成する。1998年には世界一の高さに達し、1999年8月31日、マレーシア独立記念日にあわせて、首相マハティールのもとで正式に開業した。設計にあたってペリは、マレーシアの気候と光、そしてイスラムの文化を、よりどころとした。
建築的特徴
各棟の平面は、二つの正方形を四十五度ずらして重ねた、八芒星の形をとる。これはイスラムの装飾に広くみられる幾何学であり、マレーシアの文化を現代の建築言語へと翻案したものである。塔は上へ向かうにつれて段状に絞られ、鋭い輪郭を空に描く。構造は、鋼ではなく高強度の鉄筋コンクリートを主とした。熱帯の気候において、揺れを抑えるのにまさるという判断であった。外装はステンレス鋼とガラスに包まれ、赤道直下の強い光をやわらげる。
二棟は、41階と42階のあいだを、二層のスカイブリッジで結ばれる。地上175メートルに架かるこの橋は、二層の橋として世界最高所にあり、強風による塔の揺れを逃がすため、構造体に固定されず、滑るように設けられている。
意義・現在
ペトロナスツインタワーは、急速な発展をとげる現代マレーシアの、最も強い象徴である。その姿は、紙幣や観光の図像にも用いられてきた。西洋の超高層技術と、イスラムの幾何学とを一つに編みあげたこの建築は、アジアの都市が世界の高みへと立ちあがった時代を、今に伝えている。