ポストモダン建築
postmodern architecture年代
1966 — 2000
地域
欧米を中心に世界各地
時代
現代
ポストモダン建築(postmodern architecture)は、1960年代から、近代建築(モダニズム)の禁欲的な機能主義への反動として現れ、1980年代から1990年代にかけて隆盛した様式である。装飾を排し「Less is more(より少ないことは、より豊かである)」を旨としたミース・ファン・デル・ローエらの国際様式に対し、ロバート・ヴェンチューリは「Less is a bore(より少ないことは、退屈である)」と切り返した。
ポストモダンは、いったん捨て去られた装飾と歴史的な引用を建築に呼び戻す。柱やペディメント、アーチといった過去の様式の要素が、しばしば意表をついた形や皮肉をまじえて用いられ、鮮やかな色彩や象徴、記号が復活した。「意味の明快さ」よりも「意味の豊かさ」を重んじ、文脈や大衆文化への参照を積極的に取り込んだ点に特徴がある。
理論的な口火を切ったのはヴェンチューリの著作『建築の多様性と対立性』(1966年)で、評論家のチャールズ・ジェンクスがこの国際的な潮流を「ポストモダン」と名づけた。代表作には、マイケル・グレイヴスのポートランド・ビル、フィリップ・ジョンソンのAT&Tビル(チッペンデール風の頂部をもつ高層建築)、チャールズ・ムーアのイタリア広場(ピアッツァ・ディタリア)、ジェームズ・スターリングのシュトゥットガルト州立美術館新館などがある。
その自由な引用と装飾は、やがて機能主義の伝統を引き継ぎ直すモダニズムの再評価や、より過激な脱構築主義へと道を分けていった。
§1
代表建築
Buildings§2