キー・タワー Key Tower
アメリカ・オハイオ州クリーブランドの中心部に建つ超高層オフィスビル。シーザー・ペリの設計で1991年に竣工し、ピラミッド型の頂部を戴く高さ約289メートルの塔は、現在もオハイオ州で最も高い。ポストモダン建築の代表例の一つ。
§1 — 概要概要
キー・タワー(Key Tower)は、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランド、市の中心に位置するパブリック・スクエアの北東に建つ超高層オフィスビルである。高さ約289メートル・地上57階を数え、1991年の竣工以来、オハイオ州で最も高い建築物の地位を保っている。設計はアルゼンチン出身の建築家シーザー・ペリによる。金属製のピラミッド型の頂部と尖塔を戴く細身の姿は、20世紀前半のニューヨークの摩天楼を想起させ、ポストモダン建築の代表例の一つに数えられる。
歴史
当初は地元の金融機関ソサエティ・コーポレーションの本社「ソサエティ・センター」として計画された。1988年10月に起工し、翌1989年から本格的な建設が始まる。1990年には早くも高さで近隣のターミナル・タワーを超え、約60年続いたクリーブランド一の高さの座を奪った。1991年に竣工。ペリは当初この設計をミネアポリスのノルウェスト・センター向けに構想していたが、計画変更を経て本塔へと転用したという経緯をもつ。後にソサエティがキーコープと合併すると、ビルは現在の名称「キー・タワー」へ改称された。
建築的特徴
外観の最大の特徴は、上層へ向かって段階的に後退するセットバックの構成にある。これはニューヨークのアール・デコ建築に通じる手法で、塔身を細く見せ、1930年竣工の隣接するターミナル・タワーとの視覚的な調和を生んでいる。御影石で覆われた壁面の上に、ステンレス鋼のピラミッド型のクラウンと尖塔が載り、その輪郭は古代エジプトのオベリスクにもなぞらえられる。約14万平方メートルのオフィス床をもち、隣接するマリオット・ホテルや、バーナム&ルート設計の歴史的建築ソサエティ・フォー・セイヴィングス・ビル(1890年)と連結している。
意義・現在
キー・タワーは、1980年代に停滞していたクリーブランド都心の再生を象徴する建築として位置づけられる。高さそのものを誇示するのではなく、歴史的な隣接建築と呼応させながら都市の輪郭に組み込もうとしたペリの姿勢は、ポストモダン建築の一側面をよく示している。現在も金融大手キーコープをはじめとする企業の拠点として使われ、2017年から2018年にかけてロビーが大規模に改修された。竣工から30年以上を経た現在も、オハイオ州で最も高い建築物である。