台北101 Taipei 101
台北の信義区に立つ、高さ508メートルの超高層ビル。2004年完成。2010年まで世界一の高さを誇り、500メートルを初めて超えた建築である。八段に積まれた竹のような姿は、中国の伝統の意匠をまとう。巨大な制振装置でも知られる。
§1 — 概要概要
台北101(Taipei 101)は、台湾の首都・台北の信義区に立つ、高さ508メートルの超高層ビルである。2004年の完成から2010年まで、世界一高いビルであり、五百メートルの大台を初めて超えた建築でもあった。八段に積み重ねられた竹のような姿は、中国の伝統に根ざした意匠をまとい、現代台湾を象徴する姿として知られている。
歴史
建設は1999年に始まった。台北の中心、信義区の新たな商業地区に、台湾の経済的な飛躍を示す塔として構想された。地震と台風の多い土地ゆえに、基礎は地下深く、八十メートルにおよぶ多数の杭が打ちこまれた。2003年に尖塔が立ちあがって最高点に達し、2004年の大晦日、花火とともに正式に開業した。以来、毎年の年越しの花火は、世界が注目する光景となっている。
建築的特徴
塔は、八階ずつをひとまとまりとする、八つの段を積み重ねた姿をとる。八は、中国の文化において繁栄を意味する数である。上へ向かって少しずつ広がるその形は、竹の節を、あるいは塔(パゴダ)を思わせる。外壁は青緑のガラスに覆われ、各段のつなぎ目には、吉祥の文様「如意」がほどこされている。
地震と台風に備えて、構造には特別な工夫がこらされた。中心の堅固な芯柱と、周囲の八本の巨大な柱とが、八階ごとに大梁で結ばれて、しなやかかつ強い骨組みをなす。なかでも名高いのが、上層に吊られた重さ六百六十トンの巨大な金色の球——「同調質量ダンパー」である。風や地震による揺れを、この錘が打ち消す。来訪者が間近に見られるよう公開され、塔の名物となっている。
意義・現在
台北101は、最先端の超高層技術と、東アジアの伝統の象徴とを、一つに編みあわせた建築である。世界一の高さは2010年にドバイのブルジュ・ハリファに譲ったが、五百メートルを初めて超えた塔として、また竹の姿をまとった現代台湾の象徴として、今もなお人々に親しまれている。