リッダルホルム教会(Riddarholmskyrkan)は、ストックホルムの旧市街に隣接するリ…
デンマーク、シェラン島の都市ロスキレに建つ福音ルーテル派の大聖堂。12世紀後半に着工した北欧初期のゴシック建築で、煉瓦造によるブリック・ゴシックの規範を示した。15世紀以降は歴代デンマーク王の埋葬地となり、1995年に世界遺産へ登録された。
§1 — 概要ロスキレ大聖堂(Roskilde Cathedral/デンマーク語 Roskilde Domkirke)は、デンマーク・シェラン島の都市ロスキレに建つ、デンマーク国教会(福音ルーテル派)の大聖堂である。12世紀後半から13世紀にかけて建設された煉瓦造の聖堂で、北欧における初期ゴシック建築の代表例として知られる。15世紀以降は歴代デンマーク王の正式な埋葬地となり、増改築を重ねながら王家の霊廟としての性格を強めてきた。
現在の聖堂が建つ地には、11世紀に灰華石(トラバーチン)を用いたロマネスク様式の聖堂が築かれていた。ロスキレ司教アブサロンが12世紀後半にその拡張へ着手し、当時イタリアからもたらされたばかりの煉瓦が用いられた。後を継いだ司教ペーザ・スーネセンはフランス由来のゴシック様式を採り入れて計画を改め、聖堂は1280年ごろにほぼ完成した。1282年の火災を経て内部の整備が続けられ、その後も多数の埋葬礼拝堂が付け加えられていった。
二基の尖塔を頂く西正面と、高くそびえる身廊が外観を特徴づける。半円アーチを用いるロマネスクの要素と、尖頭アーチやリブ・ヴォールトによるゴシックの要素とが併存し、様式の移行期の様相を今に伝える。建材としての煉瓦を構造と意匠の両面で生かした構成は、その後バルト海沿岸一帯へ広まったブリック・ゴシックの先駆となった。後世に増築された礼拝堂群は、それぞれの時代の様式を映して多彩である。
ロスキレ大聖堂は、800年にわたるヨーロッパ建築様式の変遷を一つの建物のうちに示す稀有な例として、1995年に世界遺産へ登録された。北欧へ煉瓦造ゴシックを広めた起点としての歴史的意義は大きい。現在も現役の教会として礼拝や演奏会に用いられるとともに、王家の霊廟として多くの参観者を迎えている。