EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
リッダルホルム教会
© Nordelch / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q657118

リッダルホルム教会 Riddarholm Church

Riddarholmskyrkan

リッダルホルム教会(Riddarholmskyrkan)は、ストックホルムの旧市街に隣接するリッダルホルメン島に立つ煉瓦造のゴシック教会である。13世紀末に建てられた市内最古の建築のひとつで、グスタフ2世アドルフ以来の歴代スウェーデン王が眠る王室の墓所として知られる。

FIG. 02 — Location59.3247° N 18.0647° E
スウェーデン ストックホルム県 ストックホルム
§1 — 概要

概要

リッダルホルム教会(Riddarholmskyrkan)は、ストックホルム中心部のリッダルホルメン島に立つ教会である。13世紀末にフランシスコ会(灰色修道士会)の修道院聖堂として建てられた、ストックホルムに現存する最古の建築のひとつであり、石材の乏しいバルト海沿岸で発達した煉瓦造のゴシック様式を伝える。17世紀以降は歴代スウェーデン国王の墓所とされ、王室と国の記憶を刻む場として特別な地位を占めてきた。

歴史

修道院は1270年ごろ、国王マグヌス・ラドゥロース(Magnus Ladulås)がフランシスコ会に与えた敷地に始まる。聖堂の建設は13世紀末から14世紀初頭にかけて進められた。16世紀の宗教改革で修道院は解体されたが、聖堂は王室の埋葬の場として残された。1632年、リュッツェンの戦いで没した国王グスタフ2世アドルフ(Gustav II Adolf)がここに葬られて以降、リッダルホルム教会はスウェーデン王の墓所として定着し、以後グスタフ5世(Gustaf V)に至るまで、女王クリスティナを除くほぼすべての君主が埋葬された。1835年7月28日、落雷による火災で塔と尖塔が焼失する。その後の復興ではペール・アクセル・ニーストレム(Per Axel Nyström)が修復を主導し、彫刻家エリック・グスタフ・ヨーテ(Erik Gustaf Göthe)の意匠による現在の鋳鉄製の尖塔が築かれた。

建築的特徴

聖堂は、北ヨーロッパに広く展開した煉瓦造のゴシック建築の系譜に属する。石材の乏しいバルト海沿岸では、焼成した煉瓦を主たる建材とするレンガ・ゴシックが発達し、本聖堂もその一例である。内部は尖頭アーチによる高い身廊をもち、周囲には歴代王家の墓室や記念碑が増築されて、時代ごとの様式が積み重なっている。最も目を引くのは、透かし細工のように繊細な鋳鉄製の尖塔である。これは1835年の火災後に旧来の木造尖塔に代えて架けられたもので、当時の新しい工業素材である鋳鉄を用いた、19世紀のネオ・ゴシックの所産である。高さは約87メートルに達し、旧市街の空に細い影を落とす。

意義・現在

リッダルホルム教会は、今日では通常の礼拝には用いられず、王室の墓所および記念の場としてのみ機能している。堂内には数百年にわたる王と貴族の墓碑、紋章、調度が集積し、スウェーデンの王権の歴史を一望できる空間となっている。中世の煉瓦造の聖堂に、火災を経て19世紀の鋳鉄尖塔が接ぎ木された姿は、この建築が幾度もの災禍と再生を重ねてきたことを物語る。今日では国の管理のもとで保存され、ストックホルムの歴史的景観を象徴する記念建造物として一般にも公開されている。

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LAST EDIT — 2026.06.26
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