ワルシャワ、ヴォラ地区に建つ高さ208メートルの超高層オフィスビル。1999年竣工、米RTKLの設計による円筒形の塔で、長らくポーランド有数の高さを誇った。
§1 — 概要概要
ワルシャワ・トレード・タワー(Warsaw Trade Tower、WTT)は、ポーランドの首都ワルシャワのヴォラ地区に建つ超高層オフィスビルである。尖塔を含む高さは208メートルに達し、文化科学宮殿と並んで、長くワルシャワで200メートルを超える数少ない建築の一つであった。
歴史
建設は1997年6月から1999年11月にかけて、韓国の大宇(デウ)グループの手で進められ、当初は「大宇センター」と呼ばれた。設計はアメリカ・ボルチモアの設計事務所RTKL(現カリソンRTKL)が主導し、ポーランドの建築家マイェフスキ=ヴィシンスキ=ヘルマノヴィチらが協働した。竣工後、大宇の経営危機により2002年に米アポロ=リダ社へ売却され、当時のポーランド不動産取引としては最大規模の取引となった。2009年以降はグローバルワース社が所有・管理し、2015年から2016年にかけて大規模な改修を受けて、現代的なオフィスビルとしての設備を整えた。
建築的特徴
43階建ての塔は、屋上までの高さが184メートル、その上に約85メートルの尖塔(マスト)が立つ。円筒を基調としながら随所に角度を変えた面を組み合わせた外観をもち、ガラスのカーテンウォールがその曲面を覆う。内部の意匠はシカゴのアール・デコから着想を得たとされる。毎秒7メートルに達するヨーロッパでも有数の高速エレベーターを備え、低層部には商業区画を、地下には三層の駐車場を収める。基礎は深さ11メートル、156本の杭の上に建物を支える。
意義・現在
1990年代末のワルシャワにおいて、トレード・タワーは社会主義期を象徴する文化科学宮殿に並ぶ高さの民間超高層として、市場経済への移行期の都市像を体現した。のちにヴァルソ・タワーをはじめとする一群の超高層が建ち、市内随一の高さの座は譲ったものの、ヴォラ地区のスカイラインを早くから形づくった塔として、現在もワルシャワを代表するオフィスビルの一つに数えられている。