EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ゴシック

Gothic art
年代
1140 — 1500
地域
ヨーロッパ
時代
中世

ゴシック(Gothic、ゴシック美術とも)は、12世紀半ばから15〜16世紀にかけて、中世後期のヨーロッパに広まった美術・建築の様式であり、また一つの時代の呼び名でもある。ロマネスクを受け継ぎ、ルネサンスに先立つ。

ゴシックの時代は、都市と大学が興り、商業がさかえ、スコラ学が思索を深めた、西欧の活気ある時期にあたる。その精神を最もよく体現したのが、天へと伸びあがる大聖堂であった。建築は、尖頭アーチ・リブ・ヴォールト・飛梁を組み合わせ、壁を窓へと開いて、高く明るい空間を生み出した。

もっとも、ゴシックは建築だけにとどまらない。大聖堂の大きな窓を満たしたステンドグラスは、光そのものを物語の媒体とした。柱や扉口を彩る彫刻は、ロマネスクの様式化を脱し、衣のひだや人の表情に自然な写実を取り戻した。写本の彩飾や祭壇画、工芸もまた、繊細で垂直性を帯びた造形を展開した。これらが互いに響きあって、一つの時代の様式をかたちづくった。

「ゴシック」という呼び名は、もともとルネサンス期のイタリアで、古典の規範から外れた中世の美術を蔑んで付けられたものである。ローマ文明を滅ぼした「ゴート人」になぞらえた、後世の偏見であった。その評価が覆るのは19世紀のことで、中世への憧れとともに、ゴシックはふたたび愛され、各地で復興された。今日では、中世西欧が生んだ豊かな造形の時代として知られている。

なお、その建築的な展開の詳細は、子項目の「ゴシック建築」で扱う。

ゴシック
§1

代表建築

Buildings
ゴシック スパスカヤ塔
1625 · モスクワ
スパスカヤ塔
Pietro Antonio Solari

モスクワ・クレムリンの主塔。1491年にイタリア人建築家ソラリが赤の広場に面して…

§2

様式の系譜

Lineage
本様式
ゴシック
子様式
ゴシック建築