ロシア・タタールスタン共和国カザンに建つ多目的スタジアム。2013年夏季ユニバーシアード用に建設され、ポピュラスが設計。外壁の巨大スクリーンで知られる。
§1 — 概要概要
アク・バルス・アリーナ(Ak Bars Arena、旧称カザン・アリーナ)は、ロシア・タタールスタン共和国の首都カザンに建つ多目的スタジアムである。2013年夏季ユニバーシアードのために建設され、サッカークラブ「ルビン・カザン」の本拠地となっている。建築設計事務所ポピュラスが手がけ、外壁を覆う巨大スクリーンで知られる。
歴史
カザンが2013年夏季ユニバーシアードの開催地に決まったことを受けて計画され、2010年5月に起工した。軟弱地盤に1万9千本の杭を打つ大規模な基礎工事を要し、工費は当初見積もりを大きく上回った。約3年の工期を経て2013年に完成し、同年のユニバーシアード開閉会式の舞台となった。2017年のFIFAコンフェデレーションズカップや2018年のFIFAワールドカップでは会場の一つとなり、2019年にアク・バルス銀行と命名権契約を結んで現名称に改められた。「アク・バルス」はタタール語で雪豹を意味する。
建築的特徴
円形の平面に二層の観客席を巡らせ、約4万5千人を収容する。設計者ポピュラスは、近隣を流れるカザンカ川に浮かぶ睡蓮になぞらえた流麗な姿を構想した。東側はガラス張りの外装とし、西側のファサードには約4,030平方メートルに及ぶ大型ディスプレイを掲げ、屋外スクリーンとしては世界最大級とされる。サッカー専用の構成を基本としつつ、2015年の世界水泳選手権ではピッチに仮設プールを設けて競技会場に転用された。
意義・現在
旧来の中央スタジアムに代わる新たな拠点として、アク・バルス・アリーナはカザンの都市再開発の核となった。国際大会の招致を通じて街の知名度を高め、スポーツ施設が都市の触媒となりうることを示した事例である。ロシア・ヴォルガ地域を代表する現代スタジアムとして、サッカーをはじめ多様な催しに使われ続けている。