モスクワ地下鉄セルプホフスコ・ティミリャゼフスカヤ線(灰色線)の北の終点。1994年に開業した浅い単アーチ式の地下駅で、リアノゾヴォ、ビビレヴォの住宅地区に置かれ多くの乗客を集める。長らく地下鉄全体で最北の駅であった。
§1 — 概要概要
アルトゥフィエヴォ駅は、モスクワ地下鉄セルプホフスコ・ティミリャゼフスカヤ線(9号線、通称「灰色線」)の北の終点である。1994年7月15日にビビレヴォ駅から北へ延伸する区間とともに開業し、地下鉄全体で150番目の駅となった。リアノゾヴォやビビレヴォといった大規模な住宅地区に置かれて利用者が多く、近年に他線の駅が開業するまでは、長らくモスクワ地下鉄で最も北にある駅であった。
歴史
当駅は、ソビエト連邦の解体(1991年)からほどない1994年に開業した。地表からの深さは約9メートルと浅く、地表を掘り下げて構築する開削工法によって築かれた浅層駅である。あらかじめ地中に造った壁を立ち上げ、その上に鉄筋コンクリートのヴォールトを架ける工法が用いられた。設計はヴィクトル・チェリョーミンとアレクサンドル・ヴィグドロフが手がけた。開業後は、埋め戻しの際に防水層が傷んだことに起因する漏水が問題となり、補修を含む改修が検討されてきた。
建築的特徴
一筋の大きなヴォールトがホーム全体を覆う単アーチ式の浅層駅で、柱を立てずに広い空間を生み出している。線路側の壁面は黒い大理石で覆われ、床には黒と灰色の花崗岩が敷かれる。ヴォールトの両脇に設けた窪みには独自の意匠の照明が並び、簡素ながらも落ち着いた空間にまとめられている。豪奢な装飾で名高い戦前の諸駅とは対照的に、機能を主眼に置いた構成を取る。
意義・現在
地下鉄建設が停滞しがちなソビエト解体直後の時期に開業した駅であり、装飾性よりも輸送機能を優先した時代の作例として位置づけられる。現在も路線の北の拠点として日々多くの乗降を支え、周辺の住宅地区の生活動線を担っている。