アレーナ・ダス・ドゥーナス Arena das Dunas
ブラジル北東部、ナタールに建つサッカー専用スタジアム。2014年FIFAワールドカップの会場として、ポピュラスの設計で建設された。砂丘を思わせる花弁状の屋根で知られる。
§1 — 概要概要
アレーナ・ダス・ドゥーナス(Arena das Dunas、「砂丘の競技場」の意)は、ブラジル北東部リオグランデ・ド・ノルテ州の州都ナタールに建つサッカー専用スタジアムである。常設収容人数は約3万1千人。2014年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会の開催会場の一つとして建設され、地元クラブのアメリカFCとABC FCの本拠地として用いられる。
歴史
建設地には1972年開場の旧マシャダン競技場があったが、ワールドカップ開催に向けて2011年に解体された。設計は、スポーツ施設を数多く手がける国際的設計事務所ポピュラス(主任建築家クリストファー・リー)が担い、施工はOASを中心とするコンソーシアムが行った。2011年8月に着工し、2014年1月に開場した。総工費は約4億2,300万レアルに達し、大会後の維持コストをめぐる議論——いわゆる「白い象」批判——の対象にもなった。大会では4試合が行われ、その後は多目的アリーナとして音楽・文化イベントにも供されている。
建築的特徴
最大の特徴は、ナタールを取り囲む砂丘から発想された屋根である。非対称に重なり合う花弁状のシェルが外周を覆い、軽快で流動的な輪郭をつくりだす。屋根は鋼鉄製のトラスで構成され、外面はアルミ板で葺かれ、断熱・遮音の処理が施される。観客席は二層で、四周を囲む大屋根が日射と雨を遮る。屋根には雨水を集めて便所の洗浄やピッチの灌水に再利用する設備が組み込まれ、熱帯気候に応じた環境配慮型の設計となっている。
意義・現在
当競技場は、2014年大会のためにブラジル各地で新設・改修された会場群の一つであり、地域の気候・風土(砂丘)を造形に取り込んだ点で、画一的になりがちな大規模スタジアムのなかでも個性を示す。一方で、地方都市における大型施設の事後活用という課題も抱える。2024年には命名権契約により呼称が改められた。州都ナタールのランドマークとして、スポーツと興行の拠点であり続けている。