アシュモレアン博物館 Ashmolean Museum
イギリス最初の公開博物館。1683年創設の由緒をもち、現在の建物はC・R・コッカレルが1845年に完成させたグリーク・リヴァイヴァルの代表作である。オックスフォードのビューモント街に建つ。
§1 — 概要概要
アシュモレアン博物館は、イングランドのオックスフォード、ビューモント街に建つ大学博物館である。組織としては1683年に開館したイギリス最初の公開博物館にさかのぼるが、現在の建物は建築家チャールズ・ロバート・コッカレルが1845年に完成させたグリーク・リヴァイヴァルの建築である。
歴史
好古家イライアス・アシュモールが、植物採集家トラデスカント父子から得た収集品を含む蒐集を大学に寄贈し、ブロード街の旧館が1683年に開館したのが起源である。その旧館の建物は現在、科学史博物館として用いられている。収蔵品の増加に伴い、ビューモント街に新たな建物が1841年から1845年にかけて建設された。コッカレルの設計になり、隣接するテイラー研究所と一体の構成をとる。2006年から2009年にはリック・メイザーの設計で大規模な増改築が行われ、展示空間がほぼ倍増した。
建築的特徴
正面は神殿風に構成され、イオニア式のオーダーによるポルティコを中心に据える。みずから発掘に携わったギリシアのバッサイ神殿の研究を踏まえ、コッカレルは規範を機械的に引き写すのではなく、各部の比例を吟味した学識ある古典主義を展開した。淡色の石造による端正な外観の背後に、メイザーの増築は採光を確保した近代的な展示室を挿入している。
意義・現在
「どの様式を選ぶか」を問うた歴史主義の時代精神と、学知を収める市民的な神殿としての博物館像を体現する建築である。コッカレルの公共建築の中でも重要な作例とされ、グレードIの指定建造物に登録される。現在の建物は、一般公開を前提として設計された初期の博物館建築のひとつでもある。ウッチェロやターナーの絵画、アルフレッド・ジュエル、北米先住民の首長ポウハタンの外衣などを収め、2009年の拡張を経て、現在も世界有数の大学博物館として活動を続けている。