米テキサス州アーリントンにある、NFLダラス・カウボーイズの本拠地。HKSの設計で2009年に完成した、開閉式屋根をもつ世界最大級の屋内競技場である。
§1 — 概要概要
AT&Tスタジアム(AT&T Stadium)は、アメリカ・テキサス州アーリントンに建つ、開閉式屋根を備えた巨大スタジアムである。NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のダラス・カウボーイズの本拠地として、設計事務所HKSの設計により2009年に完成した。通常時の収容は約8万人だが、立ち見席を加えると10万人を超え、NFL随一の規模を誇る。2026年のFIFAワールドカップでは会場の一つとして「ダラス・スタジアム」の名称で使用される。
歴史
老朽化した旧テキサス・スタジアムに代わる新本拠地として計画された。2005年に建設地が選定され、2006年4月に掘削が始まった。建設はおよそ3年を要し、2009年5月27日に完成した。総工費は当初の見込みを大きく上回り、10億ドルを超えたとされる。オーナーのジェリー・ジョーンズが大規模な娯楽空間として構想したことから、「ジェリー・ワールド」の異名でも呼ばれる。
建築的特徴
建物を特徴づけるのは、競技フィールドを跨いで架けられた二本の巨大なスチール製アーチである。長大なスパンを無柱で覆うこのアーチが屋根を支え、その間に可動屋根が設けられて、天候に応じて開閉する。両端のガラス張りの大開口も開放可能で、屋内と屋外の性格を併せ持つ。内部には、フィールド上空に吊られた巨大な四面マルチビジョンが設置され、当時としては世界最大級の高精細スクリーンとして話題を呼んだ。観客席は、立ち見エリアを含めて柔軟に増減でき、コンサートやバスケットボール、モータースポーツなど多目的に転用される。
意義・現在
AT&Tスタジアムは、スポーツ施設が観戦のための器を超え、巨大なエンターテインメント空間へと進化した時代を象徴する建築である。可動屋根と巨大スクリーンに代表される技術的な野心は、その後のスタジアム建築に大きな影響を与えた。現在もダラス・カウボーイズの本拠地であり、アメリカンフットボールにとどまらず、各種スポーツ・興行の主要会場として稼働している。