フィラデルフィアに建つ超高層オフィスビル。ロバート・スターンが設計したガラス張りの塔で、2008年に竣工し、同州第2の高さを誇る。
§1 — 概要概要
コムキャストセンターは、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアの中心市街(センターシティ)に建つ超高層オフィスビルである。高さ297メートル、58階建てで、市内およびペンシルベニア州で2番目に高い建物にあたる。設計はロバート・スターン率いるRAMSA(ロバート・A・M・スターン・アーキテクツ)。ガラスに覆われた簡潔なオベリスク状の姿で知られる。
歴史
計画は2001年に「ワン・ペンシルベニア・プラザ」の名で発表され、二度の設計変更を経た。2005年に最終案と現在の名称が公表され、同年に着工、2008年に竣工した。名称は主たるテナントであるケーブルテレビ大手コムキャストに由来し、同社はこのビルを本社として用いている。事業主はリバティ・プロパティ・トラストである。
建築的特徴
歴史様式を得意とするRAMSAの作品のなかでは例外的に、装飾を排した透明感のあるガラスの塔として設計された。頂部には段状の切り欠きが設けられ、無装飾の量塊にわずかな表情を与えている。正面の入口は高さ34メートルに及ぶ吹き抜けのアトリウム(冬の庭)で、その壁面には巨大な映像装置「コムキャスト・エクスペリエンス」が設えられている。自然換気や高効率設備を取り入れた環境配慮型の設計でも評価され、フィラデルフィアで最も高いLEED認証建築となった。簡潔な直方体を基調としつつ、頂部の処理で都市のスカイラインに固有の輪郭を刻む。
意義・現在
コムキャストセンターは、21世紀初頭のフィラデルフィアの高層化を象徴する建築である。竣工時には市内で最も高い建物となり、2018年まで市内最高層の座を保った。同年、より高い「コムキャスト・テクノロジー・センター」が近隣に完成したことで現在は市内第2位となったが、両者は一体の企業キャンパスを形づくっている。市のスカイラインを更新したガラスの塔として、センターシティの新しい顔となっている。