EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ドルビー・シアター
© Adam Fagen / Jullit31 / CC BY-SA 2.0
FIG. 01 — Q180615

ドルビー・シアター Dolby Theatre

Dolby Theatre

ロサンゼルス・ハリウッドの常設劇場。デイヴィッド・ロックウェルの設計により2001年にコダック・シアターとして開場し、アカデミー賞授賞式の恒久会場として知られる。生の舞台とテレビ中継の双方に応える機構を備える。

FIG. 02 — Location34.1028° N 118.3403° W
アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス
§1 — 概要

概要

ドルビー・シアター(Dolby Theatre、旧コダック・シアター)は、アメリカ・ロサンゼルスのハリウッド地区、ハリウッド大通りとハイランド・アヴェニューが交わる一角に建つ生演奏向けの大劇場である。2001年の開場以来、アカデミー賞(オスカー)授賞式の常設会場として用いられてきた。設計はニューヨークの建築家デイヴィッド・ロックウェル(ロックウェル・グループ)が、劇場計画の専門家シアター・プロジェクツ・コンサルタンツと協働して手がけた。アカデミー賞という、生の興行とテレビ中継が一体となった行事のための器として、当初から構想された点に最大の特色がある。

歴史

劇場は、衰退していたハリウッド西部の再生を企図した複合施設「ハリウッド・アンド・ハイランド」(現オベーション・ハリウッド)の中核として、1990年代末から建設が進められ、2001年11月9日に開場した。命名権はイーストマン・コダック社が取得し、当初はコダック・シアターと呼ばれた。アカデミー賞は翌2002年の第74回からここで開かれ、授賞式は1960年以来となるハリウッドへの回帰を果たした。2012年、コダック社の経営破綻により命名権契約が解消され、短期間「ハリウッド・アンド・ハイランド・センター」と呼ばれたのち、同年、音響技術企業ドルビー・ラボラトリーズが新たな命名権者となってドルビー・シアターと改称された。

建築的特徴

約3,400席を擁する客席は、生の劇場体験とテレビ放送の双方に最適化されている。客席中央には、撮影・音響・舞台監督のための「コックピット」と呼ばれる設備が油圧で昇降する形で組み込まれ、不要なときは視界から沈められる。劇場の下には中継車へ通じるケーブル用のトンネルが設けられ、放送に必要な電力と配線の基盤が空間に内蔵されている。エントランスから劇場へ至る大階段の周囲には、これまでの作品賞受賞作の題名を刻んだ柱が並び、将来の受賞作のための余白が残されている。華やかな見せ場と、放送設備という実務的要請とを両立させた設計は、ロックウェルの演劇的かつ機能的な作風をよく示している。

意義・現在

ドルビー・シアターは、長く定まった会場を持たなかったアカデミー賞に、初めて恒久的な「家」を与えた建築である。授賞式の前には、ファサードに別の看板が掲げられ、店舗が赤い幕で覆われ、大階段にレッド・カーペットが敷かれるなど、興行に合わせて建物そのものが「装われる」。映像の世紀における劇場のあり方を体現する施設として、現在も各種の授賞式やコンサート、舞台公演に用いられている。

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LAST EDIT — 2026.06.26
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