ウィーン、ドナウ公園に建つ高さ252メートルの展望塔。1964年のウィーン国際園芸博のために建設され、オーストリアで最も高い建造物である。二層の回転レストランからドナウ川と市街を一望できる。
§1 — 概要概要
ドナウタワー(ドイツ語: Donauturm)は、オーストリア・ウィーン北東部のドナウ公園に建つ高さ252メートルの展望塔である。1964年に開かれたウィーン国際園芸博覧会(WIG 64)に合わせて建設され、それまで最も高い建造物であったシュテファン大聖堂に代わって、オーストリアで最も高い建造物となった。鉄筋コンクリート造の塔身の頂部に展望台と回転レストランを抱える、戦後ウィーンを代表するランドマークである。
歴史
塔は園芸博の呼び物として計画され、建築家ハンネス・リントルが設計、構造はロベルト・クラプフェンバウアーが担当した。1962年10月12日に礎石が据えられ、1964年4月16日、園芸博の開幕日に開業した。資金の多くは中央貯蓄銀行(ツェントラルシュパーカッセ)が拠出している。2010年にビザムベルクの送信塔が撤去されて以降は、オーストリア国内で最も高い建造物の地位を再び占めている。2018年から翌年にかけては、連邦記念物局との調整のもとで大規模な改修が行われた。
建築的特徴
細い円筒形の鉄筋コンクリートの塔身が、高さ150メートル前後で展望部を持ち出す構成をとる。テレビ塔に似た外観をもつが放送には使われず、塔頂のアンテナは携帯電話網や無線通信に用いられている。高速エレベーター2基が約35秒で150メートルの展望台まで上がり、強風時には塔身の揺れに配慮して速度を落とす。展望台の上には、約160メートルと約170メートルの高さに二層の回転レストランが設けられている。徒歩で登る場合の階段はおよそ780段に及ぶ。
意義・現在
ドナウタワーは、戦後復興期のウィーンが新たに開いたドナウ左岸の都市軸を象徴する建造物である。観光の名所であると同時に、気象や大気汚染の観測拠点としても使われている。完成から半世紀を経て記念物として保護される対象となり、改修を重ねながら現在も市民と観光客に親しまれている。