サンフランシスコ湾の入口、金門海峡に架かる吊橋。1933年に着工し、1937年に開通した。主任技師ジョゼフ・ストラウスのもと、構造設計と意匠に多くの技師・建築家が力を尽くした。「インターナショナル・オレンジ」の塔は、サンフランシスコの象徴である。
§1 — 概要概要
ゴールデンゲートブリッジ(Golden Gate Bridge)は、アメリカ・カリフォルニア州、サンフランシスコ湾と太平洋を結ぶ金門海峡(ゴールデン・ゲート)に架かる吊橋である。サンフランシスコとその北のマリン郡とを結ぶ。鮮やかな朱色――「インターナショナル・オレンジ」――に塗られた二本の主塔と、霧に浮かぶその姿で、サンフランシスコ、そしてアメリカを象徴する建造物となっている。
歴史
海峡に橋を架ける構想は19世紀末からあったが、強い潮流と濃霧、深い海に阻まれ、長く不可能とみなされてきた。技師ジョゼフ・ストラウスは、十余年にわたってこの計画を提唱しつづけ、ついに実現にこぎつける。工事は世界恐慌のさなかの1933年に始まり、四年後の1937年に開通した。完成当時、世界で最も長い吊橋であった。
ストラウスは主任技師として全体を率いたが、彼自身は吊橋の経験に乏しかった。最初の案は美しさを欠くとして退けられ、実際の構造設計は、技師チャールズ・エリスが膨大な計算を重ねて担った。吊橋としての優美な姿は、たわみ理論を説いた技師レオン・モイセイフの構想に負う。そして建築家アーヴィング・モロウが、塔の形やアール・デコの意匠、そして色を決めた。完成時、ストラウスはおおむね自らの功績として語り、協力者たちは長く正当な評価を受けなかった。とりわけエリスの貢献が公に認められたのは、ようやく21世紀に入ってからである。
建築的特徴
主塔は水面から約227メートルの高さにそびえ、両塔のあいだを約1,280メートルの主径間が一気に渡る。塔のあいだに張られた二本の主ケーブルから、橋床が吊られている。塔は、上にいくほど段状に細くなるアール・デコの意匠でまとめられ、縦の細い溝が陰影を生む。鮮やかなオレンジ色は、モロウが、自然の景観と調和し、霧のなかでもよく見えるとして選んだものである。
意義・現在
ゴールデンゲートブリッジは、技術の挑戦と造形の美が一つに結ばれた、近代橋梁の傑作である。アメリカ土木学会は、これを「現代世界の七不思議」の一つに数えた。完成から1964年まで世界最長の吊橋の座を保ち、今日もなお、最も美しく、最も多く写真に撮られる橋の一つとして、世界に知られている。