コルコバードのキリスト像 Christ the Redeemer
リオデジャネイロのコルコバードの山頂に立つ、両腕を広げたキリストの巨像。1922年から1931年にかけて、ブラジルの技師シルヴァ・コスタが主導し、フランスの彫刻家ランドスキらと築いた。鉄筋コンクリート造の、世界最大のアール・デコ彫刻である。
§1 — 概要概要
コルコバードのキリスト像(Cristo Redentor)は、ブラジル・リオデジャネイロの市街を見おろすコルコバードの山頂に立つ、キリストの巨像である。両腕を左右いっぱいに広げたその姿は、街と湾を抱きかかえるかのようである。像の高さは約30メートル、台座を含めればおよそ38メートルにおよぶ。世界最大のアール・デコ様式の彫刻であり、リオの、そしてブラジルの象徴として、世界に知られている。
歴史
山上に記念碑をという構想は19世紀にさかのぼるが、計画が動きだすのは1920年代である。1922年、ブラジル独立百周年の日に礎石が据えられ、同年の設計競技で、技師エイトル・ダ・シルヴァ・コスタの案が選ばれた。当初は十字架と地球をかかげる姿であったが、芸術家カルロス・オズワルドとの協議をへて、両腕を広げる現在の姿へと改められた。
シルヴァ・コスタは、フランスに渡って彫刻家ポール・ランドスキを得る。ランドスキが像の頭部や手、全体の造形を担い、その顔は、ルーマニアの彫刻家ゲオルゲ・レオニダが彫った。構造には、当時なお新しい鉄筋コンクリートが選ばれ、フランスの技師アルベール・カコーが、その内部構造を設計した。フランスで粘土の原型がつくられ、ブラジルへ運ばれて、現地でコンクリートに起こされていった。九年の歳月をへて、1931年10月、像は完成し、公開された。
建築的特徴
像は、鉄筋コンクリートの骨組みの上を、無数の凍石(ソープストーン)の小片で覆ってなる。やわらかなこの石は、加工しやすく、風雨にも強い。それを三角形に割り、モザイクのように貼りつめて、像のおだやかな肌をつくりだしている。簡素な襞をもつ長衣や、すらりと引きのばされた均衡には、アール・デコの美意識がよくあらわれている。内部には階段が通り、像の高みへとのぼることができる。
意義・現在
コルコバードのキリスト像は、ブラジルとフランス、両国の技師と芸術家が力を合わせて生んだ、20世紀の記念碑である。山と海のあいだに開けたリオの景観の、まぎれもない中心であり、その一帯は2012年、ユネスコ世界遺産に登録された。2007年には「新・世界七不思議」の一つにも選ばれている。今日もなお、街を見おろし、訪れる者を迎えつづけている。
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Related※ © Arne Müseler / arne-mueseler.com / CC BY-SA 3.0