EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
トーレ・エンペラドール・カステリャーナ
© Luis García (Zaqarbal) / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q1364354

トーレ・エンペラドール・カステリャーナ Emperador Castellana Tower

Torre Emperador Castellana

マドリードの「クアトロ・トーレス」を成す超高層オフィスビル。ヘンリー・N・コブ(ペイ・コブ・フリード)の設計で2004年に着工、2008年に竣工した。正方形から先細る稜形へと移ろう独特の輪郭をもち、旧称トーレ・エスパシオとして知られた。

FIG. 02 — Location40.4789° N 3.6867° W
スペイン マドリード州 マドリード
§1 — 概要

概要

トーレ・エンペラドール・カステリャーナ(Torre Emperador Castellana)は、スペインの首都マドリード北部、パセオ・デ・ラ・カステリャーナの突き当たりに建つ超高層オフィスビルである。「クアトロ・トーレス・ビジネス・エリア(CTBA)」を構成する四棟の一つで、高さ230メートル、地上57階を数える。旧称はトーレ・エスパシオ(「宇宙の塔」の意)。設計はアメリカの建築家ヘンリー・N・コブ(ペイ・コブ・フリード&パートナーズ)による。

歴史

敷地は、レアル・マドリードの旧運動施設跡地を再開発した一画にあたる。国際指名コンペでリチャード・ロジャースやKPFらを抑えてペイ・コブ・フリード案が選ばれ、2004年に四棟同時に着工した。建設中の2006年9月には上層階で火災が発生したが、構造への重大な損傷は免れた。2007年3月に最高部へ達し、一時はスペインで最も高い構造物となった。竣工は2008年。2009年に英国大使館が入居し、続いてカナダ・オーストラリア・オランダの大使館も移ってきた。2015年にフィリピンのエンペラドール社が取得し、2021年秋に名称をトーレ・エスパシオから現在のトーレ・エンペラドール・カステリャーナへ改めた。

建築的特徴

平面は基部の正方形から、上昇するにつれて二つの四分円が交わる稜形(ロゼンジ)へと連続的に変化する。この移ろいを合理化するため、断面の曲率はコサイン曲線に基づいて定められ、外装パネルの製作と組立てが整理された。結果として塔身には多数の異なる平面が生じ、全面をガラスで覆ったカーテンウォールがなめらかな曲面を描く。43層のオフィス階と頂部の重役階、基部の商業階、地下駐車場から成り、彫刻のような塔形と実用的な平面とを両立させている。

意義・現在

トーレ・エンペラドール・カステリャーナは、2000年代のマドリードのスカイラインを一変させたクアトロ・トーレス再開発の先陣を切った建築である。数学的な曲線によって与えられた澄んだ輪郭は、ペイ・コブ・フリードが香港の中国銀行タワーなどで示してきた、幾何学に根ざした造形の系譜に連なる。複数国の大使館や国際企業が入居する、現代マドリードを象徴する塔として機能している。

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データ: Wikidata (Q1364354) / 画像: © Luis García (Zaqarbal) / CC BY-SA 3.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.06.25
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