エスタディオ・モヌメンタル・ダビド・アレジャーノ Estadio Monumental David Arellano
チリの首都サンティアゴ南東のマクル区にあるサッカー競技場。名門コロコロの本拠地で、ピッチを地面より沈めたすり鉢状の断面をもつ。1956年に着工しながら難工事が続き、1975年の仮開場を経て1989年に現在の形で完成した。
§1 — 概要概要
チリの首都サンティアゴの南東、マクル区に立地するサッカー競技場である。正式名称はエスタディオ・モヌメンタル(Estadio Monumental)で、ピッチには同国サッカー草創期の名選手にしてクラブ創設者ダビド・アレジャーノの名が冠される。国内最多の優勝を誇る名門コロコロの本拠地であり、チリ最大級の私設競技場として知られる。設計はチリの建築家マリオ・レコルドンによる。
歴史
建設の構想は古く、用地取得を経ておおむね1950年代半ばに着工したが、工事は資金難と1960年のバルディビア地震による被災で再三中断した。クラブの財政が好転するたびに工事が再開され、1975年4月、創設50周年を機にようやく仮開場にこぎ着けた。だが設備の不備から本格的な使用には堪えず、わずか数試合ののちに閉鎖され、コロコロは再び国立競技場を間借りする状態に戻った。現在の姿での完成は、選手移籍で得た資金が投じられた後のことである。1989年9月、ウルグアイのペニャロールを迎えた試合で再開場し、以後コロコロの恒久的な本拠地となった。
建築的特徴
最大の特徴は、ピッチを周囲の地盤より低く掘り下げ、観客席をすり鉢状に立ち上げた断面構成にある。観客と競技の距離が近く、スタンドが急峻に迫るため、独特の圧力と一体感を生む場として知られる。構造は鉄筋コンクリートを主体とし、長い建設中断を経て段階的に増築・改修が重ねられた。1991年には照明塔が建てられ、その後も屋根の架設や観客席の改修など、機能更新が継続して施されている。様式的な意匠よりも、地形を利用した観戦環境の演出に主眼が置かれた競技場といえる。
意義・現在
エスタディオ・モヌメンタルは、四半世紀近くに及ぶ断続的な工事の末に完成したという経緯自体が、クラブの歴史と分かちがたく結びついている。1991年にコロコロがチリ勢として初めてコパ・リベルタドーレスを制した舞台でもあり、チリ・サッカーの記念碑的な場として定着した。収容人員は改修を経ておよそ4万7千人規模で、国立競技場が使えない際には代表戦の会場ともなる。現在も拡張・近代化の計画が断続的に語られており、私設競技場としては国内随一の存在であり続けている。