ロシア・モスクワの国際ビジネスセンター(モスクワ・シティ)に建つ高さ246メートル・55階のオフィス超高層。各階がわずかずつ回転して全体がねじれる螺旋状の形態で知られ、RMJMのトニー・ケトルが設計した。
§1 — 概要概要
エボリューションタワー(Evolution Tower、ロシア語: Башня Эволюция)は、ロシア・モスクワの再開発地区、国際ビジネスセンター(通称モスクワ・シティ)に建つ高さ246メートル・55階建てのオフィス超高層建築である。各階がわずかずつ回転しながら積み上がることで塔全体がねじれる螺旋状の外観をもち、その形は二重らせん(DNA)にもたとえられる。イギリスの設計事務所RMJMのトニー・ケトルが、エディンバラ大学の研究者カレン・フォーブスと協働して設計した。
歴史
ねじれる塔の構想は、2000年代初頭にこの敷地のために検討された高層建築の設計案に由来する。当初の壮大な計画は実現に至らなかったが、その造形上の核心がのちにオフィスタワーとして引き継がれ、エボリューションタワーとして結実した。建設は2011年に始まり、2014年末に完成した。2016年にはロシアの石油パイプライン企業トランスネフチが本社として取得している。
建築的特徴
塔は平面を上階へ向けて一定角度ずつ回転させることで、最上部までにおよそ半回転分のねじれを生む。曲面を描いて立ち上がる外皮は、二重に湾曲したガラスパネルを多数組み合わせたカーテンウォールで覆われ、複雑な螺旋形を滑らかな表面として仕上げている。直線的な箱形が大勢を占めるモスクワ・シティの超高層群のなかで、その彫塑的な造形は際立った存在感を放つ。構造体は鉄筋コンクリートを主体とし、ねじれる形状に伴う荷重を支える。
意義・現在
エボリューションタワーは、デジタル設計と曲面ガラスの加工技術の進展が可能にした、21世紀の彫塑的な超高層建築を代表する一例である。ネオフューチャリズムの潮流に位置づけられ、モスクワの新しい都心の景観を象徴するランドマークとして広く知られている。現在はオフィスビルとして使用されている。