ロシア・サンクトペテルブルクのラフタ地区に立つ高さ462メートルの超高層ビル。2019年完成で、ヨーロッパ最高層かつ世界最北の超高層建築である。エネルギー企業ガスプロムの本社が入る。
§1 — 概要概要
ラフタ・センター(Lakhta Center、ロシア語: Лахта-центр)は、ロシア・サンクトペテルブルク北西部のラフタ地区に立つ超高層ビルである。高さは462メートル、地上87階を数え、ロシアおよびヨーロッパで最も高い建築物である。世界で最も北に位置する超高層ビルとしても知られ、エネルギー企業ガスプロムの本社などが入居する。
歴史
当初の構想では、塔は市街中心に近いオフタ地区への建設が予定されていた。しかし歴史的な都市景観を損なうとして強い反対運動が起こり、計画は郊外のフィンランド湾岸ラフタへ移された。建設は2012年10月に始まり、2018年1月に最高部へ到達(トップアウト)、2019年に完成している。基本設計はイギリスの建築事務所RMJM(設計者トニー・ケトル)が手がけ、実施設計はロシアのゴルプロエクトが担った。海に接する軟弱地盤に対応するため、深い基礎と大規模な連続地中壁が施工された。
建築的特徴
平面は五枚の花弁状に分かれ、塔身は上方へらせん状にねじれながら立ち上がる。このねじれた形態は風荷重を分散させると同時に、針のように細る頂部とあわせて、サンクトペテルブルクに見られる尖塔の伝統を現代的に解釈したものとされる。外装は寒冷な気候に対応した高断熱のガラス・カーテンウォールで覆われ、結露や熱損失への対策が図られている。構造・設備・外装を統合した設計で、2021年には高層建築の国際組織CTBUHからファサード技術の賞を受けている。
意義・現在
ラフタ・センターは、モスクワ以外のロシアの都市に立つ数少ない超高層建築であり、サンクトペテルブルクの新たなランドマークとなっている。一方で、低層の連なる歴史都市の遠景に巨大な塔が現れることへの景観上の議論は、計画段階から現在まで続いている。2019年の完成以降ヨーロッパ最高層の座を保ち、隣接して公共施設や展望空間を含む複合開発が進められている。ねじれ形態と寒冷地の超高層という二つの課題に取り組んだ事例として参照される。