ポーランド北部グダニスクに建つサッカー専用スタジアム。バルト海の琥珀をモチーフにした半透明の外皮で覆われ、2008〜2011年に建設された。UEFA欧州選手権2012の会場の一つで、地元レフ・グダニスクの本拠地である。
§1 — 概要概要
ポーランド北部、バルト海に面した港湾都市グダニスク(レトニツァ地区)に建つサッカー専用スタジアム。収容人数は約41,600人で、ポーランド屈指の規模をもつ。地域の特産であるバルト海の琥珀(アンバー)を主題とした外観で知られ、琥珀色の半透明パネルを鱗のように貼り重ねたファサードが、丸みを帯びた塊として街に現れる。サッカークラブ、レフ・グダニスクの本拠地である。
歴史
ドイツの設計事務所RKW(ローデ・ケラーマン・ヴァヴロウスキー)の設計により、UEFA欧州選手権2012(ユーロ2012)のポーランド・ウクライナ共催に向けて計画された。建設は2008年に始まり、2011年なかばに完成している。こけら落としはレフ・グダニスクとクラクフのクラコビアの一戦で、1対1の引き分けに終わった。2012年の本大会では、グループリーグ3試合と準々決勝1試合の会場となった。命名権により名称はたびたび変わっており、開場時の「PGEアレナ・グダニスク」、続く「エネルガ・グダニスク・スタジアム」を経て、2021年からは「ポルサット・プラス・アレナ・グダニスク」と呼ばれている。
建築的特徴
設計の核心は、バルト海沿岸で採れる琥珀のイメージを建築の外皮へ翻訳した点にある。鋼の骨組に琥珀色のポリカーボネート板を不規則に重ね、有機的な曲面を描く外観は、磨かれた自然石の塊を思わせる。屋根は観客席全体を覆い、全席が屋根付きとなっている。整然とした幾何学ではなく、地域の素材と記憶に根ざしたイメージを建築に与える手法は、21世紀のスタジアム建築が単なる競技施設を超えて、都市のアイデンティティを担う装置となったことを示している。
意義・現在
スタジアムはユーロ2012を機に整備されたポーランドの新世代スポーツ施設の一つであり、大会後も地元クラブの本拠地として、またコンサートや国際試合の舞台として用いられている。琥珀という土地固有の素材を建築言語に取り込んだ造形は、グダニスクの都市ブランドと結びつき、街の新たなランドマークとなった。