グディソン・パーク Goodison Park
イングランド北西部リヴァプールのサッカー専用競技場。1892年開場。長くエヴァートンFCの本拠地で、スタジアム建築家アーチボルド・リーチが手がけた鉄骨スタンドで知られる。2025年に男子チームが新スタジアムへ移転した。
§1 — 概要概要
グディソン・パーク(Goodison Park)は、イングランド北西部リヴァプールにあるサッカー専用競技場である。1892年に開場し、133年にわたってエヴァートンFCの本拠地として用いられた。観客席と競技場が一体となった密度の高い空間は「The Grand Old Lady(偉大な老貴婦人)」の愛称で親しまれ、イングランドにおける初期の本格的な専用フットボール・スタジアムの一つに数えられる。
歴史
エヴァートンFCは当初、現在リヴァプールFCが本拠とするアンフィールドを使用していたが、地主との対立から1892年に新たな土地へ移り、グディソン・パークを建設した。同年開場し、以後たびたび改修・増築を重ねた。20世紀初頭からは、数多くの競技場を手がけたスコットランドの技師アーチボルド・リーチがスタンドの設計に関与し、二層式の観客席が段階的に整えられた。1894年と1910年にはFAカップ決勝、1966年のワールドカップでは5試合の会場となった。1990年のテイラー報告を受けて全席着席化が進められ、最大で8万人近かった収容人数は約4万人に縮小した。
建築的特徴
グディソン・パークの特徴は、四方を直立したスタンドが取り囲み、ピッチとの距離が極端に近い「箱型」の構成にある。リーチが手がけたスタンドには、観客席前面の手すりに彼の代名詞である交差格子状の鋼意匠(トラス)が用いられ、視界を妨げる支柱を抑えつつ上層席を支える工夫が凝らされた。狭い市街地の敷地に密着して建てられたため、急勾配の客席が選手と観客を間近に向き合わせ、独特の熱量を生んだ。これは観客席と競技を物理的に引き離す現代の大型スタジアムとは対照的な、初期スタジアム建築の典型的な性格である。
意義・現在
グディソン・パークは、エヴァートンが9度のリーグ優勝を含む栄光を刻んだ場であり、英国フットボール文化の生きた記念物である。2025年5月、男子チームはブラムリー・ムーア・ドックに新設されたスタジアムへ移転し、133年の歴史に区切りをつけた。当初は解体と再開発が予定されていたが、計画は撤回され、2025–26シーズンからはエヴァートン女子チームの本拠地として存続することになった。これにより、国内最大級の女子サッカー専用スタジアムとして新たな役割を担っている。