フランス中部ブルゴーニュの森で建設が続く実験考古学の城。13世紀の技術・道具・素材のみで中世城郭を一から築く試みであり、1997年に着工した。
概要
ゲドロン城(Guédelon Castle/仏: Château de Guédelon)は、フランス中部ブルゴーニュ地方トレニー近郊の森で建設が進む城郭である。13世紀の城を当時の技術・道具・衣服・素材のみで一から築く実験考古学の試みであり、いずれ完成する建築物であると同時に、中世の建設現場そのものを再現する野外博物館でもある。
歴史
計画は、近隣のサン=ファルジョー城を修復していた起業家ミシェル・ギヨーらが立ち上げた。1997年6月、定礎の儀とともに建設が始まる。建設地には、石材・木材・水・粘土が周囲で得られる旧採石場の森が選ばれた。主任建築家ジャック・ムーランは、フランス王フィリップ2世(尊厳王)の時代に確立した12〜13世紀の城郭モデルに基づいて設計した。以来、専属の職人たちが石工・鍛冶・木挽きといった中世の生業を実演しながら工事を続けている。
建築的特徴
円筒形の塔と城壁、堀、跳ね橋を備えた方形の城郭で、13世紀フランスの城郭の典型を範とする。鉄や石は現地で採取・加工され、踏み車式のクレーンや手作業の道具で資材が運ばれる。モルタルは土と石灰から、彩色は天然の顔料から作るなど、素材から工法までを当時の条件に揃えることで、文献に残らない職人の知が実地に検証される。
意義・現在
ゲドロン城は単なる復元ではなく、中世建築の工程を問い直す壮大な実験として注目を集め、年間数十万人が訪れる。ここで再構築された石工や木工の技術は、2019年の火災で損傷したパリのノートルダム大聖堂の修復にも生かされた。建設は今なお続いており、塔の主塔は2010年に高さ15メートルほどに達した。完成までなお年月を要する、息の長い試みである。
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Related※ フランスはパノラマの自由を限定的にしか認めないが、本城は公有となった13世紀の設計を再現した構築物であり、掲載写真はCC BY-SA 3.0で提供される。