モスクワ国際ビジネスセンター(モスクワ・シティ)に建つ高さ239メートルの複合超高層ビル。米国の設計事務所NBBJが手がけ、湾曲したガラス外皮と北へ傾いた塔体を特徴とする。
§1 — 概要概要
インペリア・タワー(Imperia Tower/Башня «Империя»)は、モスクワ西部のモスクワ国際ビジネスセンター、通称モスクワ・シティの第4区画に建つ複合超高層ビルである。地上60階・高さ239メートルの主塔を中核とし、オフィス・住戸・ホテルなどを収める。設計は米国の設計事務所NBBJが担当し、湾曲したガラスのカーテンウォールと非対称の塔体によって、林立する周囲の塔のなかでも独特の輪郭を示す。
歴史
当地の開発計画は1990年代末に始まり、当初は水族館を含む娯楽施設「アクア・シティ・パレス」が構想された。2001年に基礎工事が始まったが、2003年に資金難で中断する。2006年、用途を複合ビルへ改めた新たな設計のもとで工事が再開され、2011年に竣工した。同年11月22日、モスクワ第一副市長によって公式に開業している。基本設計はNBBJ(担当建築家ジョヴァンニ・コラデッティ)が、実施設計はロシアのモスプロエクト5が、施工はトルコのENKA社が担った。
建築的特徴
塔はネオ・フューチャリズムないしハイテックと評される作風をとり、鉄筋コンクリートの剛強なコアに支えられる。外皮は約5万9千平方メートルに及ぶ曲面ガラスで覆われ、緑がかった色調が全体を包む。塔体はわずかに北へ傾けられており、直射日光の取り込みを抑えて省エネルギーを図る設計上の工夫とされる。多数の高速エレベーターが配され、低層にオフィス、上層に住戸とホテルを積層する。
意義・現在
インペリア・タワーは、旧工業地帯を再開発したモスクワ・シティを象徴する一棟であり、ポスト・ソビエト期のロシアが志向した「新しい商業都市」の像を体現する。現在もオフィス・住宅・ホテルとして使われ、高層階には展望や飲食の施設も入る。隣接地では第2期にあたる低層棟の建設が続いている。