横浜国際総合競技場 International Stadium Yokohama
横浜市港北区、鶴見川の遊水地の上に建つ日本最大の競技場。1998年に開場し、2002年FIFAワールドカップ決勝の舞台となった。命名権により日産スタジアムの呼称をもつ。
§1 — 概要概要
横浜国際総合競技場(International Stadium Yokohama)は、神奈川県横浜市港北区小机町、新横浜公園内に建つ多目的競技場である。収容人数は約7万2千人で、日本最大の規模をもつ。2005年以降は命名権により「日産スタジアム」と呼ばれる。サッカーと陸上競技に対応し、横浜F・マリノスの主要会場としても用いられる。
歴史
神奈川国体(1998年)の主会場として計画され、東畑建築事務所と松田平田設計の設計により、1994年に着工、1998年に開場した。最大の見せ場は2002年のFIFAワールドカップ日韓大会で、当競技場はその決勝戦の舞台となった。ブラジルがドイツを2対0で下し、5度目の優勝を決めた試合である。以後も2019年のラグビーワールドカップ決勝、2021年の東京オリンピックのサッカー競技など、国際的な大会を重ねて開催している。
建築的特徴
当競技場は、鶴見川の治水を担う遊水地の上に建てられている点に際立った特徴がある。建物全体を人工地盤(デッキ)の上へ持ち上げ、その下と周囲の公園一帯を、増水時に河川の水を一時的に貯える遊水機能に充てる。すなわち、巨大な競技場が洪水対策の構造物を兼ねている。観客席を覆う大屋根は、鉄骨の骨組みをフッ素樹脂膜の屋根材で覆い、軽快な外観を与える。陸上トラックを内包するため客席とピッチの距離は大きいが、二層式の客席が日本最大の収容力を支えている。サッカー専用とは異なる多目的型の典型として、巨大な楕円形のスタンドが特徴的である。
意義・現在
当競技場は、スポーツ施設でありながら都市の治水インフラと一体化した点で、日本の大規模公共建築のなかでも特異な事例である。2002年ワールドカップ決勝の記憶とともに、横浜の象徴的なスポーツの場として定着している。命名権による運営や、コンサート等での多目的利用を通じて、開場から四半世紀を経てなお現役の大型施設であり続けている。