EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
清水寺
© Martin Falbisoner / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q221716
様式 · 仏教建築 時代 · 中世 類型 · 宗教建築 ★ 世界遺産「古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)」(1994年登録)の構成資産

清水寺 Kiyomizu-dera Temple

京都・東山の音羽山中腹に伽藍を構える北法相宗の大本山。778年の創建を伝え、国宝の本堂は1633年に徳川家光の寄進で再建された。斜面に長大な柱を組み上げた「清水の舞台」=懸造で知られる。

FIG. 02 — Location34.9948° N 135.7850° E
日本 京都府 京都市
§1 — 概要

概要

清水寺は、京都市東山区、音羽山の斜面に伽藍を営む寺院である。北法相宗の大本山で、本尊は十一面千手観音。西国三十三所の第十六番札所として、平安時代以来の観音信仰の一大霊場であり続けた。境内は約13万平方メートルにおよび、国宝の本堂を中心に、仁王門・西門・三重塔・経堂などが斜面に沿って配される。1994年、「古都京都の文化財」の構成資産としてユネスコ世界遺産に登録された。

歴史

寺伝によれば、778年(宝亀9年)、興福寺の僧賢心(のちの延鎮)が音羽の滝のほとりに草庵を結び、千手観音像を安置したのが始まりとされる。780年、鹿を追って山に入った坂上田村麻呂が延鎮に殺生を諭され、自邸を本堂として寄進したという。805年に寺地を賜り、810年には嵯峨天皇の勅許を得て公認の寺院となった。以後は興福寺の支配下で法相宗に属し、平安中期からは真言宗を兼ねている。一方で伽藍は火に見舞われ続けた。1063年から1629年までに、記録に残るだけで9度焼失している。南都北嶺の争いに巻き込まれて1165年には延暦寺の僧兵に焼かれ、1469年には応仁の乱の兵火で失われた。現在の本堂は、1629年(寛永6年)の火災の後、1633年(寛永10年)に徳川家光の寄進で再建されたものであり、他の諸堂の多くもこの前後に建て直されている。明治の神仏分離では本堂北の地主神社が分離し、1965年には法相宗から独立して北法相宗を立てた。

建築的特徴

本堂は寄棟造・檜皮葺で、正面の左右に入母屋造の翼廊が突き出す。桁行9間・梁間7間の身舎の三方に裳階を巡らせ、裳階と翼廊を含めた平面は間口約36メートル、奥行約31メートルに達する。奥から内々陣・内陣・外陣に分かれ、内々陣の須弥壇上の厨子に本尊千手観音立像と毘沙門天・地蔵菩薩の両脇侍を安置する。いずれも秘仏である。特徴は前方部分の構えにある。堂の前半は山の斜面にせり出しており、床下には長大なケヤキの柱と貫を縦横に組んだ立体格子が組まれる。柱は139本を数え、舞台をじかに受ける最前列の6本は平面十六角形、長さは12メートルに及ぶ。継手と貫で固められ、釘は用いないとされる。この形式を懸造、あるいは舞台造と呼び、観音が補陀落山に現れるという経説を地形の上に写したものと解される。奈良の長谷寺、滋賀の石山寺の本堂も同じ形式をとる。

意義・現在

清水寺は、平地に伽藍を整然と並べる古代寺院の型を離れ、地形に建築を合わせるという選択を極端なかたちで示した。舞台は眺望のための装置であると同時に、法会に際して芸能が奉納される場でもあり、参詣者を地面から切り離す構造そのものが宗教的経験の一部をなす。木造建築としての時間の扱いも独特である。舞台の床板は耐用二十年から三十年ほどで幾度も張り替えられ、檜皮葺の屋根も数十年ごとに葺き替えられてきた。2008年から続く「平成の大改修」では、2017年から本堂の屋根の葺き替えが行われ、2020年に完了している。焼失と再建、そして更新を前提とする木造建築の時間感覚を、今日まで実践し続けている寺院といえる。

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データ: Wikidata (Q221716) / 画像: © Martin Falbisoner / CC BY-SA 4.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.08.11
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