トルコ・イスタンブールのレヴェント地区に建つ超高層住宅。タバンルオール・アーキテクツの設計で2010年に竣工し、尖塔を含め261メートル。2016年まで国内最高層を誇った、トルコ初の環境配慮型超高層である。
§1 — 概要概要
イスタンブル・サファイア(Istanbul Sapphire、通称サファイア)は、トルコ最大の都市イスタンブールの中心業務地区レヴェントに建つ超高層複合ビルである。住宅を主用途に、商業モールやオフィス、展望デッキを備える。タバンルオール・アーキテクツの設計により、トルコ初の環境配慮型(エコロジカル)超高層として計画された。
歴史
プロジェクトは不動産会社キレルGYOによって2006年に始動し、ボスポラス海峡のヨーロッパ側、レヴェントの旧バス車庫跡地に建設された。構造体は2010年に竣工し、商業モールと展望デッキを含む一般公開は2011年3月に始まった。竣工時にはトルコおよびイスタンブール最高層の建築物となり、ヨーロッパでも4番目に高いビルに数えられた。その後の高層化競争のなかで記録は更新されたが、2010年から2016年まで国内最高の座を保った。
建築的特徴
地上54階・地下10階からなり、尖塔を含む全体の高さは261メートル、屋上までの高さは238メートルに達する。頂部の尖塔はアンテナではなく意匠の一部で、角張った王冠のような輪郭を空に描く。最大の特徴は環境性能で、外周を二重のガラスで覆うダブルスキン・ファサードが、騒音と外気から内部を守る緩衝層として働く。内外二層のあいだには自然換気される垂直庭園が設けられ、数階おきに共用の緑地や設備階を挟む構成をとる。日照を時刻と季節に応じて調整する自動カーテンなども備え、省エネルギーを図っている。
意義・現在
サファイアは、21世紀初頭のイスタンブールが国際的なビジネス都市へと変貌していく象徴的な存在となった。最上階の展望テラスからは、ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアの両岸を一望でき、市内有数の眺望点として親しまれている。垂直庭園や二重外装といった環境的試みは、その後のトルコの高層建築にも影響を与えた。