オランダ・アムステルダムに立つ、サッカークラブAFCアヤックスの本拠地で同国最大の競技場。1996年にアムステルダム・アレナとして開場し、ヨーロッパで初めて開閉式の屋根を備えた。2018年に名選手ヨハン・クライフを記念して改称された。
§1 — 概要概要
ヨハン・クライフ・アレナは、オランダの首都アムステルダム南東部に立つ多目的競技場である。名門サッカークラブAFCアヤックスの本拠地で、オランダ最大の収容力をもつ。1996年にアムステルダム・アレナとして開場し、サッカーの試合に加えてコンサートや各種イベントの会場として広く使われてきた。設計はオランダの建築家ロブ・スハウルマンが手がけた。1998年のチャンピオンズリーグ決勝や、ユーロ2000・ユーロ2020の試合など、数々の国際大会の舞台となっている。
歴史
建設は1993年11月に基礎杭の打設から始まり、約3年をかけて1996年に完成した。同年8月、ベアトリクス女王の臨席のもとに開場し、こけら落としではアヤックスとACミランの親善試合が行われた。老朽化したデ・メーア・スタディオンに代わる近代的な施設として計画され、アムステルダム南東部の再開発の核ともなった。2016年に名選手ヨハン・クライフが世を去ったのち、その功績をたたえて2018年から現在の名に改称された。
建築的特徴
このスタジアムを最も特徴づけるのは、ヨーロッパのサッカー競技場として初めて備えられた開閉式屋根である。二枚の半透明のパネルが滑るように動き、十数分で開閉して天候にかかわらずイベントを可能にする。屋根を支える構造は、二本の交差するアーチを縦方向の梁でつないだ明快な骨組みからなる。芝のピッチは外へ運び出せる仕組みをもち、コンサートなどの際にはピッチを保護しながら多目的に使えるよう工夫されている。閉じれば屋内施設に、開けば屋外競技場になるという可変性が、この建築の核心にある。
意義・現在
ヨハン・クライフ・アレナは、開閉式屋根と可動式のピッチによって、一つの建築を天候や用途に応じて変容させるという発想を、大規模スタジアムにおいて早くから実現した先駆例である。サッカーのみならず音楽公演や多様な催しを受け入れる多目的施設のあり方は、その後の競技場計画に広く影響を与えた。トータルフットボールを体現した名選手の名を冠したことで、建築は一クラブの本拠地を超え、オランダのサッカー文化を象徴する場ともなっている。