ヘルシンキ地下鉄の地上駅。1982年の路線開業時に設けられた最初期の駅のひとつで、市東部のクロサーリ島に位置する。ヤーッコ・ユリネンとヤルモ・マウヌラの設計による。
§1 — 概要概要
クロサーリ駅(フィンランド語:Kulosaaren metroasema、スウェーデン語:Brändö metrostation)は、フィンランドの首都ヘルシンキの地下鉄駅である。市東部、湾に浮かぶクロサーリ島の住宅地区に位置する地上駅で、ヘルシンキ地下鉄の路線M1・M2の双方が停車する。1982年の地下鉄開業とともに設けられた、システム最初期の駅のひとつである。
歴史
ヘルシンキ地下鉄は、フィンランド初の地下鉄として長い計画期間を経て建設され、1982年に最初の区間が開業した。クロサーリ駅もこの開業に合わせて、1982年6月1日に供用を開始している。設計はフィンランドの建築家ヤーッコ・ユリネンとヤルモ・マウヌラが担当した。当駅は地上に設けられ、隣のカラサタマ駅とは約1.8キロメートル、ヘルットニエミ駅とは約1.4キロメートル離れている。2011年には改修(フェイスリフト)が行われ、開業時の意匠を保ちつつ更新が図られた。
建築的特徴
クロサーリ駅は、トンネルを掘り下げる多くの都心の駅とは異なり、地上のホームをもつ開放的な駅である。ヘルシンキ地下鉄の駅は、橙色の車両に象徴される明快な色彩計画と、機能主義的で簡潔な造形を特徴とするが、当駅もその系譜に連なる。島の住宅地という落ち着いた環境のなかで、過剰な装飾を排した実用本位の構成がとられている。駅には自転車および自動車の駐車スペースが設けられ、郊外住宅地と都心とを結ぶ結節点としての役割を担う。
意義・現在
クロサーリ駅は、長い構想を経てようやく実現したヘルシンキ地下鉄の出発点を飾る駅のひとつであり、フィンランドの戦後機能主義が公共交通施設に与えた簡潔なデザインを今に伝えている。派手さはないが、地上駅ならではの開放感と、島の生活に根ざした穏やかなスケールが、この駅の性格をよく表している。現在も東部地区と都心を結ぶ日常の足として、二系統の列車が発着している。