ベルフォールのライオン Lion of Belfort
フランス東部ベルフォールの城塞の崖下に据えられた、全長22メートル・高さ11メートルの巨大な砂岩の彫刻。自由の女神像の作者バルトルディが、1875年から1880年にかけて制作した。普仏戦争でこの街がプロイセン軍の包囲に耐え抜いた、英雄的な抵抗を象徴する記念碑である。
§1 — 概要概要
フランス東部の街ベルフォールに据えられた、巨大な砂岩の彫刻である。街を見おろす城塞の崖下に、全長22メートル・高さ11メートルの獅子が横たわる。フランスで最も大きな石の彫像とされる。普仏戦争におけるこの街の英雄的な抵抗を記念して、彫刻家フレデリック・オーギュスト・バルトルディが手がけた。
歴史
1870年から1871年の普仏戦争で、ベルフォールはプロイセン軍による103日におよぶ包囲に耐えた。司令官ドンフェール=ロシュローのもと、わずかな兵力で大軍を退けたこの抵抗により、街は——アルザス・ロレーヌの大半がドイツに割譲されるなかで——フランスにとどまることができた。
その記憶を刻むため、バルトルディは1875年から制作にとりかかり、1880年に完成させた。彼はのちに、ニューヨークの自由の女神像を世に送り出すことになる。
造形の特徴
獅子は、ヴォージュ山地の赤い砂岩から切り出された。ひとつひとつ彫られた石の塊が、崖の下で組み上げられている。前足を矢の上に置き、傷つきながらもなお屈しない、その雄々しい姿は、街の不屈の精神そのものである。当初、獅子はプロイセンのある東を睨んでいたが、ドイツへの配慮から、その視線は西へと向け直された。
意義・現在
ベルフォールのライオンは、敗戦のなかで守り抜かれた誇りの象徴として、いまもこの街を見守っている。1931年には歴史的記念物に指定された。パリのドンフェール=ロシュロー広場には縮小複製が置かれ、ベルフォールは「獅子の街」と呼ばれて、この彫刻を自らの誇りとし続けている。
関連する建築
Related※ CC BY 3.0:表示(クレジット)が条件。