エスタディオ・デ・メスタージャ Mestalla Stadium
スペイン・バレンシアにあるバレンシアCFの本拠地。1923年に開場した歴史あるサッカー専用競技場で、市街地の急峻な敷地に観客席を立体的に積み上げた独特の構成で知られる。
§1 — 概要概要
メスタージャ・スタジアム(Estadio de Mestalla)は、スペイン東部の都市バレンシアにあるサッカー専用競技場であり、バレンシアCFの本拠地である。1923年の開場以来、増改築を重ねながら同クラブのホームであり続けてきた、スペインでも有数の歴史を持つスタジアムである。市街地の限られた敷地に観客席を高く積み上げた急勾配のスタンドが、その姿の特徴をなしている。
歴史
競技場は1923年初頭に着工し、同年5月20日に開場した。設計はバレンシアの建築家フランシスコ・アルメナル・キンサが手がけた。当初の収容人数は限られていたが、バレンシアCFの躍進とともに段階的に拡張され、1950年代以降の改修によって大規模なスタンドを備える現在の姿へと近づいた。スペイン内戦期には被害も受けたが復旧され、20世紀を通じてバレンシアにおけるサッカー文化の中心であり続けた。なお市内では、これに代わる新スタジアム「ヌエボ・メスタージャ」の建設も進められている。
建築的特徴
最大の特徴は、市街地の狭隘な敷地条件に応じて観客席を急角度で立ち上げた点にある。ピッチを取り囲む四方のスタンドは高く切り立ち、観客とピッチの距離が近い濃密な観戦環境を生み出している。度重なる増改築の結果、各スタンドの形状や高さには差異が生じているが、その不揃いさ自体がスタジアムの長い歴史を物語っている。構造は鉄筋コンクリートを主体とし、装飾を抑えた機能本位の外観をもつ。
意義・現在
メスタージャは、ヨーロッパにおける初期の都市型サッカー専用競技場の一例として、またバレンシアCFの象徴として大きな意味をもつ。熱狂的な観客がもたらす雰囲気は欧州屈指と評され、数々の名勝負の舞台となってきた。国際試合の会場ともなり、スペインのサッカー史に深く刻まれてきた。現在もバレンシアCFの本拠地として使用され、市民にとって地域のアイデンティティを担う場所であり続けている。