メトロポリタンスタジアム Metropolitano Stadium
マドリード東部に建つアトレティコ・マドリードの本拠地。1994年完成の陸上競技場「ラ・ペイネタ」を、設計者クルス・イ・オルティス自身が全面改築し、2017年にサッカー専用スタジアムとして再生させた。張弦式の波打つ屋根が特徴である。
§1 — 概要概要
メトロポリタンスタジアム(Metropolitano Stadium、現リヤド・エア・メトロポリターノ)は、マドリード東部のサン・ブラス=カニリェハス地区に建つサッカースタジアムである。2017年よりアトレティコ・マドリードの本拠地となっており、収容人数は約7万人。その骨格には、1994年に完成した陸上競技場「ラ・ペイネタ」が組み込まれている。
歴史
原型は、1997年世界陸上選手権の招致を目指したマドリード州が建設した競技場である。アントニオ・クルスとアントニオ・オルティス(クルス・イ・オルティス)の設計により1990年に着工し、1993年に竣工、1994年9月に開場した。一面のみの観覧席が伝統的な髪飾りに似ていたことから「ラ・ペイネタ(櫛)」と呼ばれた。招致は実らず、2004年以降は使われないまま放置された。2013年に敷地がアトレティコ・マドリードへ移り、同じクルス・イ・オルティスの手で全面改築されて、2017年9月16日にサッカー専用スタジアムとして再開場した。
建築的特徴
改築では、ラ・ペイネタの特徴的な観覧席を西側スタンドとして保存し、その水平の透き間を新しいスタンドにも引き継いだ。ピッチを掘り下げて観客席を近づけ、三方に急勾配のスタンドを増設して臨場感を高めている。最大の見どころは、外周の圧縮リングと内周の引張リングを放射状のケーブルで結んだ張弦構造の屋根で、膜を張って観客の大半を覆う。重さではなく張力で支えられた屋根は薄く連続し、軽やかに波打って全体を一つにまとめている。
意義・現在
旧競技場を壊さず新しい施設へと「縫い合わせた」改築は、既存建築を生かす現代的な手法の好例である。2019年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝の舞台となり、2027年の同決勝の開催も予定される。マドリード東部の郊外に生まれた都市の標識は、いまやクラブを象徴する国際的なランドマークへと姿を変えた。