セビリア、カルトゥーハ島に建つスタジアム。1999年の世界陸上競技選手権に合わせて完成し、フラメンコの扇を思わせる大屋根を備える。アンダルシア最大の競技場である。
§1 — 概要概要
エスタディオ・デ・ラ・カルトゥーハ(Estadio de La Cartuja)は、セビリアのカルトゥーハ島に建つ多目的スタジアムである。かつてはセビリア・オリンピックスタジアムとも呼ばれた。1992年万国博覧会の舞台となった中州の北端に位置し、1999年の世界陸上競技選手権の主会場として整備されて、アンダルシア地方で最大の収容力をもつ。
歴史
セビリアが目指した2004年・2008年夏季オリンピックの招致(いずれも不首尾に終わった)と、1999年の世界陸上を見据えて、1997年から1999年にかけて建設された。同年5月に開場し、世界陸上の檜舞台となった。設計はセビリアを拠点とするクルス・イ・オルティス建築事務所、特徴的な大屋根の構造設計はドイツのシュライヒ・ベルガーマン・パートナーが担い、施工はACSが請け負った。長らく定住するクラブを欠いたものの、2003年のUEFAカップ決勝やサッカー・スペイン代表戦、コパ・デル・レイ(国王杯)決勝などの大舞台を重ね、2025年には陸上トラックを撤去して7万人収容へと拡張された。
建築的特徴
外周は八角形、内部は楕円形のスタンドが競技面を囲む。石を思わせる重厚な外装が都市的な性格を与え、ピッチを周囲の地盤より沈めることで外観の高さを抑えている。最大の見どころは、スタンドの上にカンチレバーで大きく張り出す鋼とポリカーボネートの大屋根で、開いたフラメンコの扇になぞらえられる。柱を立てずに観客席を広く覆うこの軽快な架構が、巨大な競技場に独特の表情を与えている。
意義・現在
アンダルシア最大の競技場として、サッカー・陸上・コンサートなど多目的に用いられてきた。長く「住人なきスタジアム」と評された時期もあったが、2025年からは本拠地を改修中のレアル・ベティスが暫定的な本拠として使用し、2030年のワールドカップの会場にも予定されるなど、再び活況を取り戻しつつある。