イスタンブール北部セイランテペに立つ、ガラタサライSKの本拠地。シュトゥットガルトのaspアルヒテクテンとメテ・アラトが設計し、2011年に開場した約5万4千席のスタジアムである。
§1 — 概要概要
ラムズ・パーク(正式名称アリ・サミ・イェン・スポーツ複合施設)は、トルコ・イスタンブールのヨーロッパ側、サルイエル区セイランテペにあるサッカー専用スタジアムである。スュペル・リグに所属するガラタサライSKの本拠地で、収容はおよそ5万4千席。トルコで最初にUEFAの最上位カテゴリーの要件を満たしたスタジアムであり、命名権の売却によって呼称が繰り返し変わってきたことでも知られる。
歴史
ガラタサライは長らく本拠地に恵まれなかった。1964年に開場したメジディイェキョイのアリ・サミ・イェン・スタジアムを長く使ってきたが、同地は市街の拡大に飲み込まれて拡張の余地を失い、1990年代末から新スタジアム計画が繰り返し浮上しては資金難で頓挫した。
2007年、住宅開発庁(TOKİ)との間で、メジディイェキョイの旧敷地と引き換えにセイランテペの用地を得る合意が成立し、同年12月13日に起工する。施工体制の変更などで工事は中断を挟んだが、2011年1月15日に開場した。総工費は約2億5,000万ドルとされる。
命名権は当初トルコ・テレコムに売却され、「トルコ・テレコム・アリーナ」(2011〜2017年)、「トルコ・テレコム・スタジアム」(2017〜2021年)、「ネフ・スタジアム」(2021〜2023年)と呼称を変え、2023年からは「ラムズ・パーク」となっている。
建築的特徴
設計はシュトゥットガルトのaspアルヒテクテン(当時のアラト=ジーゲル&パートナー)で、トルコ出身でドイツを拠点としたメテ・アラトが設計チームを統括した。構造設計には、軽量構造とスタジアム屋根で知られるシュライヒ・ベルガーマン・パートナーが加わっている。
モデルとされたのは、ゲルゼンキルヒェンのアレーナ・アウフシャルケである。四方を四層のスタンドが途切れなく囲み、ピッチに正対する観客席が急勾配で立ち上がる。躯体は鉄筋コンクリートで、段状の観客席にはプレキャスト・コンクリート部材が用いられた。屋根は太い主柱に支持された鉄骨架構で、四辺から張り出して全席を覆う。
計画段階ではトルコ初となる開閉式屋根が謳われ、開場後に設置する予定であった。しかし機材の調達と費用の問題から実現せず、屋根は固定式のまま今日に至っている。近年は屋根面に大規模な太陽光発電設備が設けられ、環境性能の面から評価されるようになった。
意義・現在
2000年代後半以降、トルコでは各地で新しいスタジアムの建設が相次いだ。ラムズ・パークはその先陣を切った事例であり、以後の国内のスタジアム整備に一つの型を与えた。
収容規模は改修のたびに変動しており、開場時の約5万2,700席から、2023年以降は約5万4,000席となっている。2024年5月のフェネルバフチェ戦で記録した5万3,755人が、これまでの最多入場者数である。UEFAユーロ2032の開催候補会場の一つにも数えられている。